旅行業務取扱管理者

【独学者向け】旅行業務取扱管理者 試験|運送約款「国際運送約款」

さあ「標準旅行業約款」の範囲が終了し、ついに「運送・宿泊約款」です。

 

旅行業法のときもでしたけど標準旅行業約款も長かった・・・ずっと契約の申込みや成立、拒否事由とか学んでいましたからね。

 

まあ心機一転?ということで、今回は「国際運送約款」を勉強していきます!

 

「国際運送約款」学習内容

  • 基礎知識:国際運送約款とは、用語の定義
  • 航空券:有効期間と延長、紛失・毀損、使用、払戻し
  • 適用運賃等:税金・料金、予約
  • 運送の拒否・制限:拒否、制限
  • 手荷物:手荷物の種類、無料手荷物許容量と超過手荷物、動物ほか
  • 航空会社の責任:責任限度額、損害賠償請求期限と出訴期限、スケジュール

 

・・・と意気込んでみたはいいものの、テキストを開くと20ページくらいあって、「長いよ」と早速げんなりしてきました。が、がんばろう。

 

基礎知識

 

国際運送約款とは

国際運送約款とは、国際線に搭乗するときの間の運送契約について定めたもので、国際航空運送協会(LATA)の定める統一約款を基準として航空会社が作成しています。

 

早速「国際運送約款」とググってみると、ANAのものが出てきたいのでザクっと内容を確認しました。

 

国際運送約款(ANA)

  • 1 定義
  • 2 約款の適用:総則、適用、優待搭乗、貸切運送、約款又は会社規則の変更、適用約款、旅客の同意
  • 3 コードシェア便
  • 4 航空券:総則、航空券の有効性、航空券有効期間の延長、搭乗用片の使用順序
  • 5 途中降機
  • 6 運賃及び経路:総則、適用運賃、経路、税金及び料金等、通貨
  • 7 経路等の変更、運送不履行及び接続不能:旅客の申出による経路等の変更、会社の都合による経路等の変更
  • 8 予約:総則、航空券発券期限、座席指定、予約した航空便に搭乗しなかった場合の手数料、会社が行う予約の取消、他の運送人に対する予約の再確認、通信費、旅客についての情報
  • 9 搭乗手続等
  • 10 運送の拒否及び制限:運送の拒否等、条件付運送引受、運送の制限
  • 11 手荷物:手荷物の受付けの制限、保安検査、受託手荷物、持込手荷物、無料手荷物許容量、特別扱いの無料手荷物許容量、超過手荷物、責任限度額を超える手荷物の申告及び従価料金、経路等の変更又は取消の場合の超過手荷物料金又は従価料金、手荷物の受取及び引渡、動物
  • 12 航空便のスケジュール、延着及び取消:スケジュール、取消、コンティンジェンシープラン
  • 13 払戻:総則、払戻を受ける人、会社の都合による払戻、旅客の都合による払戻、紛失航空券の払戻、払戻期間、払戻を拒否する場合、通貨、会社が行う払戻
  • 14 地上連絡輸送
  • 15 宿泊、会社が行う手配及び機内食:宿泊、会社が行う手配、機内食
  • 16 出入国手続:適用法令等の遵守、旅券及び査証、税関検査、官公署の帰省
  • 17 相次運送人
  • 18 運送人の責任:適用法令等、責任の限度
  • 19 損害賠償請求期限及び出訴期限:損害賠償請求期限、出訴期限
  • 20 法令違反条項
  • 21 改訂及び権利放棄

 

書いてみて思いましたよ。長い、長すぎるよコンチクショー!

 

約款の適用について、旅客または手荷物の運送は「航空券の最初の搭乗用片により行われる運送の開始日」に、有効な約款・会社規定の定めに従い、航空会社は予告なくこれらを変更することができます。

 

用語の定義

約款で使われる用語の定義はむつかしくて覚えづらいので、コンパクトにまとめました。ただ試験では少しわかりにくい表現どおりで出題されるので、テキストでの復習は必須です。

 

航空券

 

航空券 こ旅客または手荷物の運送のための運送人により発行される「旅客切符および手荷物切符(搭乗用片、旅客用片、旅客控を含む)」もしくは電子航空券(電子搭乗用片、eチケットお客様控)
搭乗用片 旅客切符の一部分で運送が有効に行われる特定区間を明記している用片・電子搭乗用片
旅客用片または旅客控 運送人による発行される航空券の一部分で旅客にとっての運送契約の証拠書類

 

電子航空券

 

電子航空券 運送人により発行されるeチケットお客様控および電子搭乗用片
電子搭乗用片 航空会社のデータベースに記録される形式
eチケットお客様控 旅程、航空券情報、運送契約の条件の一部・諸通知が記載されているもの

 

手荷物

 

手荷物 旅行にあたり旅客の着用・使用・娯楽・便宜のために、必要または適当な物品・身の回り品その他の携帯品をいい、別段の定めがなければ①受託手荷物②持込手荷物の両方を含む
受託手荷物 運送人が保管する点持つで、運送人が手荷物切符と手荷物合符(てにもつあいふ)を発行したもの
持込手荷物 受託手荷物以外の手荷物
手荷物切符 航空券の一部で、運送人が受託手荷物の受領証として発行するもの
手荷物合符 受託点手荷物の識別のために運送人が発行する証票

 

旅客の年齢

 

小児 運送開始日時点で2歳の誕生日を迎えているが、12歳の誕生日を迎えていない人
幼児 運送開始日時点で2歳の誕生日を迎えていない人

 

その他

 

到達地 運送契約上の最終目的地
途中降機 出発地と到達地の間の地点で旅客が行う旅行の計画的中断をいい、運送人が事前に承認したもの
暦日で全ての曜日を含む
会社規定 約款以外の旅客または手荷物の運送に関する航空会社の規則および規定
MCO、EMD 運送人により発行される証票・電子証票で、航空券の発行または旅行のためのサービス提供を要請するもの

 

「日」について「通知のための日数」「有効期間を決めるための日数」計算する場合、以下の定めによります。

 

日数計算の方法

  • 通知のための日数計算:通知を発した日は計算に含まない
  • 有効期間を決めるための日数計算:航空券を発行した日、航空旅行を開始した日は計算に含まない

 

上記の日数計算は、どちらも初日を計算に参入せずに翌日を1日目に数えます(翌日起算)。

 

航空券

有効期間

航空券の有効期間

  • 運送を開始した航空券:運送の開始日から1年
  • まったくの未使用の航空券:航空券の発行日から1年

 

航空券は有効期間満了日の24時に失効しますが、各搭乗用片による旅行は有効期間満了日の24時までに旅行を開始すれば、継続することができます(会社規則に別段の定めがある場合を除く)。

 

東京-シドニー東京(往復)を購入して未使用のまま1年経ち、有効期間満了日までに運送を開始することで「運送を開始した航空券」となるので、合計の有効期間は2年間ということですね。

 

運送開始済みと未使用とでは有効期間が違うので、「有効期間満了日はいつなのか」ということは重要だ・・・

 

有効期間の延長

 

  • 航空会社の都合
  • 航空会社が航空便の座席に提供できない
  • 旅客が旅行開始後に病気になった
  • 旅客または旅客の近親者が死亡した

 

航空会社の都合による場合

会社規則に別段の定めのある場合を除き、以下のいずれかに該当するのであれば、航空会社は運賃を追加でもらわずに「運賃が支払われたクラスに空席のある最初の航空便まで」航空券の有効期間を延長します。

 

航空会社が、

  1. 旅客の座席予約のある航空便の運行を取り消した場合
  2. 航空便をスケジュールどおりに運行できなかった場合
  3. 航空便を旅客の出発地、到達地、途中降機他に運行しなかった場合
  4. 旅客の乗り継ぎをできなくした場合
  5. クラスを変更した場合
  6. 予約された便の座席を提供できなかった場合

 

航空会社が航空便の座席に提供できない場合

 

航空便の満席により旅客が予約を希望しているにもかかわらず、航空会社が座席の提供をできない場合、運賃が支払われたクラスに空席のある最初の航空便まで航空券の有効期間を延長します。

 

ただし有効期間が1年の航空券のみが対象で、延長は7を超えることはない

 

旅客が旅行開始後に病気になった場合

 

旅客の病気による航空券の有効期間の延長

  1. 正当な診断書に書かれた旅行再開可能日まで、有効期間を延長する
  2. ①の旅行再開可能日に、運賃が支払われた座席を航空会社が提供できない場合、そのクラスに空席のある最初の航空便まで、航空券の有効期間を延長する
  3. ②において、航空券の有効期間が1年未満である場合、この延長は旅行再開可能日から7日を超えることはない
  4. 有効期間が1年の航空券で未使用の搭乗用片が途中降機を含む場合、会社規則に従い、航空券の有効期間を旅行再開可能日から3ヶ月を越えない範囲で延長する

 

③が理解しづらいな。
「航空会社が航空便の座席を提供できない場合」に倣っていると考えればいいのか。

 

旅客または旅客の近親者が死亡した場合

以下のいずれかに該当する場合、航空会社は正当な死亡証明書の提出を条件に、最低旅行日数を免除または有効期間を延長することがあります。

 

  1. 旅行中に旅客が死亡した場合:死亡した旅客に同行している人の航空券が対象
  2. 旅行開始後に旅客の近親者が死亡した場合:旅客およびその旅客に同行している近親者の航空券が対象

 

「旅客または旅客の近親者が死亡した場合」の延長は、死亡の日から45日を超えることはありません。

 

航空券の紛失・毀損

航空券の全部または一部を紛失・毀損した場合、航空会社は旅客からの請求に基づき、以下の手続きにより代替航空券を発行します。

 

代替航空券の発行手続き

  1. 代替航空券発行手数料(航空券1件につき1万円か相当の外貨)を支払うこと
  2. 航空会社が相当と認める証拠を受領し、航空会社が妥当と判断すること
  3. 代替航空券の発行により航空会社が損害を受けた場合、所定の書式に従って「旅客がその損害補償をする旨」に同意する

 

・・・1万円!?高い!!!
なぜそんなにかかるんだ!と、庶民的な発想になりましたとさ。

 

航空券の使用

航空券は他人に譲渡することはできず、運送・払戻しを受ける権利を持っているのは航空券に記名された本人のみということです。

 

航空会社は以下の場合、一切の責任を負いません。

 

航空会社が責任を負わない場合

運送・払戻しを受ける権利を有する人以外が、

  1. 航空機に搭乗する、航空券の払戻しを受ける
  2. 航空券を不正利用した場合

 

また航空会社は航空券に記載された出発地からの旅程の順序に従ってのみ、搭乗用片の使用を認めていて、順番通りに使っていかなければなりません。

 

たとえば最初の国際線の運行区間における搭乗用片が使用されず、旅客がいずれかの予定寄港地から開始する場合、航空券は無効で使用が認められません。

 

航空券の払戻し

航空券の払戻しは有効期間満了日から30日以内に限り可能ですが、この日を過ぎると航空会社に払戻請求をされます。ルールなら仕方ないけど、容赦ない!

 

旅客の都合による払戻し

旅客の都合による航空券の払戻しは、会社規定で定められた取消手数料がかかり、払戻し額は以下の通りです。

 

  1. 旅行がまったく行われていない場合:支払い済みの運賃額から取消手数料を差し引いた額
  2. 旅行の一部が行われている場合:支払い済みの運賃額と航空券の使用区間に適用される運賃との差額から、取消手数料を差し引いた額

 

紛失航空券の払戻し

旅客が航空券の全部または一部を紛失した場合、以下を全て満たすことを条件に払戻しが可能です。

 

紛失航空券の払戻し条件

  1. 航空会社が認める紛失の証拠および払戻しの請求が、紛失航空券の有効期間満了日から30日以内に提出されていること
  2. 紛失航空券が使用または払い戻されてなく、代替航空券も発行されていないこと
  3. 払い戻しまたは事後に紛失航空券が使用されたことで、航空会社が損失を受けた場合、払戻しを受ける人が「一切の損失について賠償する」旨に同意すること

 

③は代替航空券の発行と似ていますね。

 

紛失したといっても消滅したわけではなく、何かの損害に発展する可能性も
あるということか。

 

いやむしろ、「紛失した」と嘘をついて、転売したとか?そんなことあるのかなあ。

 

適用運賃等

 

適用運賃と税金・料金

適用運賃とは航空会社(またはその指定代理店)から公示された運賃または航空会社規則に従い算出された運賃をいいます。

 

また適用されるのは航空券の最初の搭乗用片により実施される運送開始日で、航空券の発行日に有効です。

 

なお公示された運賃には、官公署・空港管理者が旅客に課す税金・料金(サービス、施設利用料など)は含まれてなく、別で支払わなければなりません。

 

予約

航空会社の予約システムに座席が確保された時点で予約は成立し、もし予約した航空便に旅客が登場しなかった場合、会社規則に従って手数料の支払いを求めることができます。

 

予約の取り消し

航空会社の判断により、以下の場合に航空会社は予約を取り消すことがあります。

 

航空会社による予約の取消し

  1. 予約成立後、指定された航空券発券期限までに航空券の発券を受けない
  2. 1旅客に対して2つ以上の予約がされ、かつ以下のいずれかに該当
    • 搭乗区間・搭乗日が同一
    • 搭乗区間が同一、搭乗日が近接
    • 搭乗日が同一、搭乗区間が異なる
  3. 合理的に考えて、旅客が予約のすべてに搭乗するのは不可能と航空会社が判断

 

前途予約の取消

旅客が航空会社に事前通知することなく、予約した便に搭乗しなかった場合、航空会社は前途の予約を取り消すことが可能です。

 

また前途予約の中に他の航空会社の便の予約が含まれている場合には、その航空会社に対して予約の取消しを依頼することもできます。逆もまたしかり。

 

座席指定

旅客はあらかじめ機内の特定の座席を指定できるものの、航空会社によって事前の通告なしに機材変更などの理由で変更することがあります。

 

運送の拒否・制限

以下に該当する場合、航空会社は旅客の運送拒否または旅客を降機させることが可能です。

 

運送の拒否・制限事由

  1. 運航の安全のため
  2. 出発国、到達国、通貨国等、関係国の適用法令等に従うため
  3. 旅客が適用法令等に従わない、または旅客の入出国手続き書類等に不備がある
  4. 旅客が乗継地の国に不正入国しようと試みるおそれがある
  5. 航空会社が不正な入国を防止するために入出国手続書類等を預けるように要請したとき、旅客がその要請に応じなかった
  6. 旅客が航空会社の実施する検査(装着品や手荷物の検査)に応じない
  7. 旅客の行為、年齢、精神的・身体的状態が以下のいずれかに該当する
    • 航空会社の特別の取扱いを利用
    • ほかの旅客に不快感を与え、または迷惑をおよぼす恐れがある
    • 旅客自身または他の人、航空機、物品に危害を及ぼすおそれのある行為
    • 航空会社の許可なく、機内で携帯電話機、携帯ラジオ、電子ゲーム等電子機器を使用
    • 機内で喫煙
  8. 旅客が提示する航空券が以下のいずれかに該当する
    • 不法に取得されたもの、または航空券を発行する運送人・指定代理店以外から購入されたもの
    • 紛失または盗難の報告が出されているもの
    • 偽造されたもの
    • いずれかの搭乗用片が故意に毀損されたもの、または運送人・指定代理店以外の者によって変更されたもの
  9. 航空券の提示者が自らを航空券の「旅客氏名」欄に記載されている人であると立証できない
  10. 旅客が適用運賃・料金・税金を支払わない、または航空会社と旅客との間で交わされた後払契約を履行しない恐れがある

 

①~⑦のいずれかに該当して航空会社が運送拒否をした場合、旅客は運賃の払戻しが受けられますが、当然ながら⑧~⑩のケースでは不可です。

 

また運送の制限について、同伴者のいない小児・幼児、心身障害のある人、妊婦、病人の運送引き受けは、会社規則に従うことが条件で航空会社との事前の取り決めが必要になります。

 

手荷物

長すぎるから先に各内容のポイントだけ!

 

  • 手荷物の種類には、受託手荷物と持込手荷物の2つに分けられ、それぞれで制限がある
  • 無料手荷物許容量は年齢・クラス・個数・重量・サイズで変わり、超えると超過手荷物で追加料金発生
  • ペット等の輸送には有料だが、身体障害者である旅客の補助を目的すると犬は無料
  • 他社の運行する便に自社の便名を付け、旅客と契約する運送がコードシェア便
  • 手荷物を受け取る流れと注意点
  • 手荷物の責任限度額は「モントリオール条約」が適用となるかどうかで決まり、超過を見越して引き上げも可能
  • スケジュールは予告なしに変更されることもあり、結果生じた支障に責任を負わない

 

手荷物の種類

 

受託手荷物

受託手荷物として受け付けられないもの

  • 壊れやすいまたは変質・腐敗するおそれのある物品
  • 貨幣、宝石類、貴金属、有価証券、証券その他高価品
  • 書類、旅券等旅行に必要な身分を証する文書、または見本

 

航空会社は可能な限り、旅客者から運送の委託を受けている受託手荷物を航空機で同時に運送しますが、困難と判断した場合には許容搭載量に余裕のあるほかの航空便で運送することがあります。

 

持込手荷物

航空会社が特に認めたものを除き、旅客が客室内に持ち込むことができる手荷物の条件は以下のとおりです。

 

機内に持ち込める手荷物の条件

  1. 旅客が携帯し保管する身の回りの物品1個
  2. ①のほか、会社規則に定める物品で客室内の収納棚または旅客の前の座席下に収納可能で、3辺の和が115以内のもの1個
  3. ①と②の重量が10kgを超えない

 

無料手荷物許容量と超過手荷物

旅客の手荷物のうち、無料で運送される手荷物の最大許容量のことを無料手荷物許容量といい、大人・小児・幼児と利用するクラスの別に応じて定められています。

 

無料手荷物許容量(受託手荷物)

年齢 クラス 個数 重量(1個) サイズ(1個)
大人・小児 ファーストクラス 3個 32kg J203cm/A158cm
大人・小児 ビジネスクラス J3個/A2個 32kg J203cm/A158cm
大人・小児 エコノミークラス 2個 23kg J203cm/A158cm
幼児 全クラス共通 1個 同伴旅客と同じ J203cm/A158cm

 

無料手荷物許容量(持込手荷物)

年齢 クラス 個数 重量(1個) サイズ(1個)
大人・小児 全クラス共通 条件合えば無料 条件合えば無料 条件合えば無料

 

補足事項

  • 上記の表のほか、会社規則に定められた身の回りの物品を旅客が携帯し保管する場合に限り、航空会社は手荷物として無料で運送
  • 旅客が使用するベビーカー、携帯用ゆりかご、チャイルドシートは無料手荷物許容量に含めず無料で運送

 

同一の航空便で旅行する2人以上の旅客が、同一地点まで同時に手荷物の運送を委託する場合には、航空会社は旅客からの申し出により、個数を各人の無料手荷物許容量を合算することができます。

 

もし無料手荷物許容量を超える手荷物があった場合、旅客は航空会社に超過手荷物料金を支払わなければなりません。

 

動物

 

犬、猫、小鳥その他のペット等の運送

犬、猫、小鳥その他のペット等の動物は「旅客が適切な容器にいれる」「到達または通貨国で必要な書類(健康証明書など)を取得している」などの条件を満たし、航空会社の事前の承認がある場合に運送を引き受けます。

 

しかし超過手荷物として扱われるので、会社規則に定める料金を支払わなければなりません。

 

体に障害のある旅客を補助する犬

基本的にペット等の輸送には超過手荷物料金が発生しますが、身体に障害のある旅客を補助する犬は無料です。

 

補助を目的とする犬とは盲導犬や聴導犬、介助犬などで、容器および餌とともに通常の無料手荷物拠優良に追加して無料で運送します。
ただし他のペット同様に、各種書類の取得や航空会社の事前の承認が必要です。

 

コードシェア便による運送

コードシェア便による運送の場合、以下のような各ルールは他の運送人が定める規則(約款)が適用されます。

 

コードシェア便で適用される他の運送人が定める規則(約款)

  • 運送の拒否・制限
  • 手荷物(手荷物の運送制限、無料手荷物許容量、超過手荷物、動物の運送など)

 

手荷物の受取り・引渡し

到達地または途中降機地において、旅客は手荷物が受取可能な状態になり次第、その手荷物を受け取らなければなりません。

 

手荷物切符・手荷物合符の所持人に対してのみ、手荷物の引き渡しが行われます。

 

航空会社は手荷物切符・手荷物合符の所持人が引き渡しを受ける正当な権利者であるかどうかを確認する義務を負わず、もし確認しなかったことで損害が発生しても航空会社は一切責任を負わない

 

また引き渡しのときに書面により異議を述べ内で手荷物を受け取ったときは、反証がない限り、その荷物は良好な状態で運送契約に従って引き渡されたものとみなされます。

 

航空会社の責任

 

手荷物の責任限度額と超過時の申告

航空会社の故意・過失により旅客の手荷物に損害が生じた場合、航空会社その損害を賠償する責任を負わなければなりません。

 

手荷物の責任限度額

モントリオール条約が適用となる運送 モントリオール条約以外の条約が適用となる運送
受託手荷物 受託+持込=1,288SDR 1kgあたり17SDR
持込手荷物 受託+持込=1,288SDR 1人あたり332SDR

 

もし旅客の所持する荷物の化学が上記の責任限度額を超える場合、旅客は手荷物の化学を航空会社に申告が可能で、従価料金として以下の料金がかかります。

 

従価料金と申告価額の上限

従価料金 申告価額の上限
原則 超過価額の100USドル又はその端数につき2USドル 1旅客の申告限度額5,000USドル
例外(カナダ国内) 超過価額の100カナダドル又はその端数につき2カナダドル 1旅客の申告限度額5,000カナダドル

 

旅客は従価料金を支払うことによって航空会社の責任限度額を引き上げることができますが、実際の損害額が申告した額より低い場合、航空会社は実損額を超えて賠償することはありません。

 

損害賠償請求期限と出訴期限

 

損害賠償請求期限

旅客の手荷物に損害(毀損、延着、紛失、滅失)があった場合、手荷物の引渡しを受ける権利を有する人が航空会社の事務所に異議を述べなければ、いかなる損害賠償も認められません。

 

損害賠償請求の期限

手荷物の毀損 毀損の発見後すぐに(遅くとも受取の日から7日以内
手荷物の延着 手荷物を受け取った日から21日以内
手荷物の紛失・滅失 手荷物を受け取ることができたであろう日から21日以内

 

手荷物の損害内容によって期限が異なり、上記の期限までに書面を発送しなければなりません。

 

出訴期限

航空会社に対して訴訟を起こす場合、到達地への到達の日、航空機が到達すべきであった日または運送の中止の日から起算して2年以内に提起しなければなりません。

 

なお出訴期限は手荷物に関する損害だけでなく、その運送について生じた損害のすべてに対して適用されます。

 

スケジュール

時刻表その他に表示されている時刻は予定であって、保証されたものではなく、運送契約の一部を構成するものではないのです。

 

運行予定は予告なしに変更されることがあり、結果として旅客またはその手荷物の他の便への接続に支障が生じても一切の責任を負いません。

 

また航空会社は予告なしに、引受けた運送について運送人または航空機を変更することがあります。

 

確認テストしました!

結果は・・・9問中5問!間違い、多い!

搭乗用片の使用は「満了日の24時までの旅行を開始すればOK」。読み飛ばしてるなあ。

手荷物の損害賠償請求の期限は、自分にも機会があるかもしれないし、しっかりと覚えておかないと!

 

まとめ

「国際運送約款」まとめ
  • 航空券について、有効期間は1年で延長も可能、払戻しできるが紛失時の代替航空券は高い
  • 手荷物について、航空会社や座席の種類でサイズ・重量は異なり、航空会社に引き渡し時の本人確認義務はない
  • 航空会社は故意・過失があれば手荷物の賠償責任を負い、旅客は損害賠償請求期限・出訴期限のうちに正当な手続きを踏まなければならない

標準約款が終わって一息ついたと思ったけれども、長かったなあ・・・国際運送約款。
まあ国内実務とも重なる部分があるし、なんとかモチベーションを保とう!

 

今回の旅先 「兵庫県 宝塚市」

「廃道に行こう!」

同期から誘われて快諾の末にたどり着いた「JR福知山線廃線敷」。
あまり行ったことのない生瀬駅で降り、きれいな川に沿いながら歩くと廃線敷の入り口が見えてきます。
当時は大阪で仕事に着いたばかり、梅田や三宮など人の行き交う場所の中にいたので、久しぶりの自然にウッキウキ!
ありがたいことに良い天気で、木洩れ日に照らされた廃道に心は癒されるばかりです。
印象的なのは道の途中にあるトンネルで、暗闇の奥に見える一筋の光が人生のような気がしました。

あと廃線敷までの道のりで小高い場所もあり、遠くに(おそらく)宝塚の街並みが見えて、なんとも言えない気になるのです。