今回の学習内容は、標準運送約款の「第六章 旅行管理」と「第七章 責任」にあたる部分です。
「旅程管理・責任」学習内容
- 旅行管理:旅程管理業務、旅行業者の指示、添乗員等の業務、保護措置
- 旅行業者の責任:損害賠償責任
- 旅行者の責任:約款における3つの責任
企画旅行契約を結ぶことによって、旅行業者は「旅行者がサービス提供を受けることができるように手配し、旅程を管理する義務」を負います。
ボリュームは少ないので、旅程管理のために何を行うべきかをしっかりと覚えていきたいですね。
旅程管理
旅程管理業務
- 旅行中に旅行者が旅行サービスを受けられない恐れがあると認められるとき、企画旅行契約に従った旅行サービスの提供を確実に受けられるための必要な措置を講ずること
- 必要な措置を講じたにもかかわらず、契約内容を変更せざるを得ないとき、代替サービスの手配をすること
- 代替サービスの手配をするときには、契約内容の変更を最小限にとどめるよう努力すること
③の具体的な「契約内容の変更を最小限にとどめるよう努力すること」は以下のとおりです。
契約内容の変更を最小限にとどめるような努力とは
- 旅行日程を変更するときは、変更後も当初の旅行日程の趣旨にかなうよう努めること
- 旅行サービスの内容を変更するときは、変更後も当初の旅行サービスと同様となるよう努めること
旅行業者は旅行者の安全かつ円滑な旅行の実施を確保できるように努め、上記の業務をすることが求められるのです。
ただし上記の業務とは異なる特約を結んだ場合はその限りではありません。
次は旅行業者と添乗員のことについてです。
旅行業者の指示
旅行開始後から旅行終了までの間、旅行者は旅行を安全かつ円滑に実施するための旅行業者の指示をきかなければならない。
「旅行開始後の契約の解除事由」で、「旅行者が添乗員または旅行業者の指示に違反」した場合は契約を解除できましたね。
旅行を安全・円滑に実施するための義務は旅行業者にありますが、そもそもの話、旅行者が従わないのであればできないもの。
添乗員等の業務
旅行業者は必要に応じて添乗員等を同行させ、旅程管理業務の全部または一部を行わせることができる(業務時間は8時~20時)
ただし添乗員を同行させたとしても、旅程管理業務の義務を負うのは旅行業者です。
保護措置
疾病、傷害等など旅行業者の責に帰すべき事由によるものでないとき、必要な措置を講じるのに要した費用は旅行者の負担となる
旅行業者・旅行者の責任
約款の「第七章 責任」では「旅行業者の責任」と「旅行者の責任」が定められています。
- 旅行業者の責任:損害賠償責任
- 旅行者の責任:約款における3つの責任
旅行業者の責任
契約の実施にあたり旅行業者または手配代行者が、故意または過失により旅行者に損害を与えたときは、所定の期間内に旅行業者へ通知があったときに限り損害を賠償しなければなりません。
たとえば「旅行業者の手配ミスにより旅行サービスが受けられない」「添乗員に預けた荷物がなくなった」などです。
旅行者への通知期限は「手荷物以外」と「手荷物」にわかれ、賠償限度額も「手荷物」だけに定められています。
旅行業者への通知期限と賠償限度額
対象 | 通知期限 | 限度額 |
手荷物以外 | 損害発生の翌日から起算して2年以内 | 定めなし |
手荷物 | 損害発生の翌日から起算して①国内⇒14日以内、②海外⇒21日以内 | 旅行者1名につき15万円 |
なお旅行業者・手配代行者の故意・過失が原因である場合、15万円の上限額は適用されません。
また旅行業者・手配代行者の関与し得ない事由が生じた場合、損害賠償責任を負わないです。
天災地変や暴動など起こったとき、旅行業者・手配代行者が保証をしてくれないのであれば、その損失は保険で賄われるということでしょうか。うーん。
旅行者の責任
約款では旅行者の責任も定めていて、以下の3つが該当します。
旅行者の責任
- 旅行者の故意・過失で旅行業者が損害を被ったときは、旅行者は損害を賠償しなければならない
- 旅行者は契約のときに旅行業者から提供された情報を活用し、旅行者の権利義務その他の旅行内容の契約について理解するよう努めなければならない
- 旅行者は旅行開始後に契約書面と異なる旅行サービスが提供されたと認識したときは、旅行地において速やかに旅行業者・手配業者・旅行サービス提供に申し出なければならない
上記の責任を果たさずに旅行業者を責めることはできないということですね。
旅行契約の内容を理解するよう努めるという点について、契約書ってどれも難しいのでしり込みしてしまいますけど頑張らないと・・・
結局のところ旅行契約の内容を理解しているなら、提供される旅行サービスが変更されたことにも気付けるし。
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しかし微妙なところもあります。たとえば「旅行者が自由時間中に被った損害」についてです。
自由時間中に被った損害であっても、原因が旅行業者または手配代行者の過失によるものならば損害を賠償しなければなりません。
いざ問題を解いてみると、「あれ?ここはどうだっけ」となるのは、ふわっと理解しているからなんでしょうね。少しずつ、少しずつ。
まとめ
- 企画旅行契約を締結した旅行業者は「旅行者がサービス提供を受けることができるように手配し、旅程を管理する義務」を負う
- 旅行業者または手配代行者が故意・過失で旅行者に損害を与えたとき、通知があった場合に限り損害を賠償する
- 旅行者には「旅行業者が損害を被った場合の賠償」「旅行契約の内容を理解する」「契約書面どおりではない場合の通知」
の責任がある
前回の「企画旅行契約の解除」でも思ったとおり、自分が旅行者の立場でイメージしやすい項目は勉強しやすいですね。
それと街中や駅で見かける旅行のポスターを見る目が変わります。お、募集型企画旅行!みたいな。
一番ボリュームがあって出題数も多い「企画旅行契約」、親しみやすさで乗り越えたい!
今回の旅先 「秋田県 仙北市」
青森県民からしても秋田は遠くてですね、学生時代に旅行で行ったことはありませんでした。
大阪に就職して社会人となり、「よし!帰省ついでに、東北でも回るか!」と思って訪れたところの一つです。
20数年生きてきて、初めてきた田沢湖・・・想像以上にコバルトブルーの水がきれい。感動。がしかし、そんな田沢湖に今も残るのが「水質問題」。
1940年に強酸性である玉川温泉の水を導入したことにより湖全体で酸性化が進み、長年の中和作業により中性に近づいているものの回復には至っていないそうです。
どうしてそうなってしまったのか、疑問は疑問のままで消えてしまいました。
こんなにきれいな湖でも、魚が住むにはキツイのですね。稲庭うどん、美味しかった。