旅行業務取扱管理者

【独学者向け】旅行業務取扱管理者 試験|約款「企画旅行契約の締結」

科目2「標準旅行業約款 運送・宿泊約款」において、「企画旅行契約」は国内・総合のどちらでも毎年10問以上出題されています。

 

テキストでもいくつかの項目に分けての解説となり、ボリュームのある範囲です。

 

「企画旅行契約の締結」学習内容

  • 企画旅行とは:定義、契約の内容
  • 契約の申込み・成立:契約の方法、申込み、予約、企画書面、成立の時期
  • 契約締結の拒否:拒否事由
  • 契約に関する書面の交付:契約書面、確定書面、情報通信技術の利用
  • 旅行代金:通信契約の有無による支払い

 

まずは「企画旅行契約の締結」から勉強していきましょう。

 

また他の旅行相談契約や渡航手続代行契約でも、当然ながら「申込み」や「拒否事由」など重なる部分も多いので、始まりから抑えておくと今後の勉強もスムーズになりそうです。

 

企画旅行とは

定義

「旅行業法の基礎知識」で学んだとおり、まず「旅行」は実施される形態によって「企画旅行」と「手配旅行」の2つに分けられます。

 

旅行の種類

  • 企画旅行:旅行業者が旅行計画を定めて実施する旅行
  • 手配旅行:運送機関や宿泊機関などを個別に手配し実施する旅行

 

これより「企画旅行」とは「旅行業者が旅行計画を定めて実施する」ものであり、さらに分けると「募集型企画旅行」と「受注型企画両行」の2つです。

 

企画旅行は2種類

募集型企画旅行 旅行業者が旅行計画を定めて参加する旅行者の募集をして実施
受注型企画旅行 旅行者からの依頼に基づき旅行業者が旅行計画を定めて実施

 

参考に標準旅行業約款(以下、約款)における「企画旅行」の定義についても抑えておきましょう。

 

約款における「企画旅行」の定義
旅行の目的地および日程、旅行者が提供を受けることができる運送または宿泊のサービスの内容ならびに旅行者が旅行業者に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する計画を作成し、これにより実施する旅行をいう。

 

募集型と受注型の違いは、「どちらが主体になって旅行計画を作るのか」ということですね。

 

契約

約款では「旅行契約の内容」について、以下のように書かれています。

 

旅行契約の内容
旅行業者は、企画旅行契約において、旅行者が旅行業者の定める旅行日程に従って、運送・宿泊機関等の提供する運送、宿泊その他の旅行に関するサービス(以降「旅行サービス」といいます。)の提供を受けることができるように、手配し、旅程を管理することを引き受けます。

標準旅行業約款では「当社」となっていますが、分かりやすいように「旅行業者」にしています。
「企画旅行契約」の部分は、標準旅行業約款では「募集型企画旅行契約」または「受注型企画旅行契約」となっています。

 

これより企画旅行契約を締結したことで旅行業者が負う債務は、「旅行サービスの手配」と「旅程管理」の2つということです。

 

契約の申込み・成立

企画旅行契約の方法は以下の2種類があり、「申込み」「契約の成立時期」「旅行代金」などそれぞれで異なる規定があります。

 

契約の方法

  • 原則:主に旅行業者の営業所で、旅行業者と旅行者が対面して契約を締結するのを想定した方法。
  • 通信契約:インターネットや電話などの電子方法を用いて、営業所に出向かず契約を締結する方法。

 

具体的に通信契約は「旅行業者」と「旅行業者が提携するクレジットカード会社(以降、提携会社)のカード会員」との間で結ばれ、申込みと決済方法が以下の条件を全て満たす場合に該当します。

 

通信契約の条件

  • 電話、郵便、ファクシミリその他の通信手段による申込み
  • 提携会社のカード会員規約に従って掲載することを事前に旅行者が承諾
  • カード利用時の伝票への旅行者の署名なしで旅行代金等を決済

 

もし上記の条件が一つでも欠けている場合、通信契約としては扱いません。

 

契約の申込み

原則と通信契約とでは、申込みの方法が異なります。

 

原則(通信契約ではない)

旅行業者の所定の申込書に所定の事項を記入した上で、申込金とともに旅行業者に提出しなければならない

 

申込金は旅行代金または取消料、違約料の一部として取り扱います。

 

通信契約

以下の事項を旅行業者に通知することによって申し込む(募集型は①~③、受注型は③)

  1. 申込みをしようとする募集型企画旅行の名称
  2. 旅行開始日
  3. 会員番号その他の事項

 

もし企画旅行の参加にあたり特別な配慮を必要とする旅行者は、契約の申込時に申し出なければなりません。

 

また旅行業者は可能な範囲で応じ、申し出に基づいた特別な措置に要する費用は旅行者の負担となります。

 

募集型と受注型の注意点

 

募集型企画旅行の電話等による予約

募集型企画旅行ではツアーごとに定員が定められているケースが一般的であるため、実際の申し込みに先立ち、電話等で予約を受け付けています。

 

電話等で予約した時点では契約は成立されておらず、旅行者は旅行業者が予約承諾の旨を通知した後に、所定の期間内で申込書と申込金を提出しなければなりません。

 

所定の期間内に申込書と申込金を提出したかどうかによる、予約後の取扱いは以下のとおりです。

 

予約後の取扱い

  • 期間内に申込書と申込金を提出した:契約締結の順位は予約受付の順位(契約は成立)
  • 期間内に申込書と申込金を提出していない:予約はなかったものとして取り扱う(契約は
    成立していない)

 

受注型企画旅行の企画書面

受注型企画旅行は旅行者からの依頼に基づき実施されるものであるため、旅行業者は依頼内容に沿って作成した企画書面を交付します。

 

企画書面の記載事項

  • 旅行日程
  • 旅行サービスの内容
  • 旅行代金
  • その他の旅行条件

 

旅行者は企画書面の内容から契約の申込みを決定しますので、募集型でいう「パンフレット」のようなものです。

 

もちろん無料で作成するわけではなく、企画書面における旅行代金の内訳で「企画に関する取扱料金(以降「企画料金」)の金額を明示できます(任意)。

 

明示しておくことによって契約の締結後に旅行者から契約を解除されても、解除の時期にかかわらず、企画料金を収受することが可能です。

 

契約の成立時期

取引の上で重要な意味を持つ「契約の成立時期」は、契約の方法によって3種類が定められています。

 

契約の成立時期

  1. 原則:旅行業者が契約の締結を承諾し、旅行者から申込金を受理したとき
  2. 通信契約(電子承諾通知以外):旅行業者が契約の締結を承諾する旨の通知を発したとき
  3. 通信契約(電子承諾通知):電子承諾通知が旅行者に到達したとき

用語の説明
電子承諾通知とは、契約の申込みに対する承諾の通知が、旅行業者と旅行者の相互が使用する機器の電気通信回線を通じて行われるもの

 

相互が使用する機器というのは、たとえば電子メールやファクシミリなどのことで、留守番電話機能を利用して通知を発しても電子承諾通知に該当します。

 

契約締結の拒否

旅行業者は以下の拒否事由に該当する場合、企画旅行契約の締結に応じないことがあります。

 

企画旅行契約の締結における拒否事由

  1. 旅行者が参加旅行者の条件を満たしていないとき(募集型のみ)
  2. 応募旅行者数が募集予定数に達したとき(募集型のみ)
  3. 旅行者が他の旅行者に迷惑をかけ、または団体行動の円滑な実施を妨げるおそれがあるとき
  4. 通信契約を締結しようとする場合、旅行者が提携会社のカード会員規約に従って決済できないとき
  5. 旅行者が反社会的勢力であると認められるとき
  6. 旅行者が、旅行業者に対して暴力的な要求行為、不当な要求行為、取引に関して脅迫的な言動または暴力を用いる行為、準ずる行為をしたとき

 

契約に関する書面の交付

企画旅行の契約において、旅行業者が旅行者に交付する書面が2つあります。

 

契約で交付する書面

契約書面 契約成立後速やかに交付する、旅行日程などの事項を記載した書面
確定書面 契約書面に確定された旅行日程などが記載できていない場合に交付する、確定状況を記載した書面

 

契約書面

企画旅行契約が成立した後、速やかに旅行業者は旅行者に契約書面を交付しなければなりません。

 

契約書面の記載事項

  • 旅行日程
  • 旅行サービスの内容
  • 旅行代金
  • その他の旅行条件
  • 旅行業者の責任

 

契約書面に記載するところが、旅行者が手配して旅程を管理する義務を負う旅行サービスの範囲です。

 

確定書面

契約書面に確定された旅行日程や運送、宿泊機関の名称を記載できない場合、別で確定書面を交付する必要があります。

 

一般的に企画旅行は旅行日よりもかなり前に計画されるため、契約書面では運行スケジュールや宿泊施設の名称を確定できないことが多いのです。

 

未確定の場合に契約書面では「利用予定の宿泊機関の名称」「重要な運送機関の名称」を限定列挙した上で、確定段階で契約書面とは別に確定書面を発行します。

 

また契約書面には「確定書面の交付期限」も記載しなければならず、企画旅行契約の申込日によって定められているのです。

 

確定書面の交付期限

契約の申込日 契約書面の交付期限
旅行開始日の前日から起算してさかのぼって7日目にあたる日より前の申込み 旅行開始日の前日までの契約書面に定める日まで
旅行開始日の前日から起算してさかのぼって7日目にあたる日以降の申込み 旅行開始日当日までの契約書面に定める日まで

 

情報通信技術の利用方法

あらかじめ旅行者の承諾を得ることで、以下の書面の交付に代えて情報通信の技術を利用する方法により旅行者に記載事項を提供することができます。

 

情報通信の技術を利用して提供できる書面

  • 取引条件説明書面
  • 契約書面・確定書面
  • 企画書面

 

情報通信の技術を利用した場合、旅行業者は旅行者の通信機器に備えられたファイルに、記載事項が記録されたかを確認しなければなりません。

 

旅行代金

旅行代金の取扱いは「原則(通信契約はでない)」と「通信契約」で異なります。

 

原則 旅行開始日までの契約書面に記載する期日までに旅行代金を支払う
通信契約 提携会社のカードにより伝票への署名なくして旅行代金を支払う

 

なお通信契約で支払う場合、カード利用日は旅行契約成立日とされます。

 

確認テストしました!

結果は・・・8問中8問正解!きた、全問正解!

と喜んだものの、「予約の効果」は正直わすれていました。

本番で出題されたらやばいな。4択だし。

それと確定書面の交付期限も契約の申込日によって「旅行開始日の前日」「当日」になるのもあやしい。

まとめ

企画旅行契約の締結
  • 契約には「原則(通信契約ではない)」と「通信契約」があり、申込方法や成立時期、旅行代金の支払い方法が異なる
  • 通信契約とは「通信手段による申し込み」「カード決済で旅行者も承諾」「伝票への旅行者の署名なし」の条件を全て満たすもの
  • 契約書面は契約成立後速やかに、確定書面は交付期限までに交付をしなければならない

標準旅行業約款で一番の覚えどころである「企画旅行契約の締結」。

契約によって申込方法や成立時期が異なったり、契約の拒否・解除事由であったり、他の約款にでてくる項目なので忘れないようにしよう・・・と思いつつも忘れてしまうんですよね。

忘却とどう向き合うか、そんなこともテーマにしながらやっていきます!

 

今回の旅先 「長野県 諏訪市」

会社員時代の同期が退職してから実家の諏訪市に戻り、頑張っているということで会いに行ってきました。

夜に会う約束をしていたので、昼間はぶらぶらと諏訪市を回ろうと思い、まず諏訪湖に足を運びます。
てくてく歩いていると一気に視界が開けて、諏訪湖が目の前に広がりました。
甲州街道と中山道が交わる場所である諏訪には、昔も多くの人が訪れて諏訪湖に目を奪われたのだろうと思うほどです、

夜は地元の馴染みある居酒屋やラーメン屋さんに案内してもらって、美味しくて楽しい時間を過ごしました。
次の日は温泉に入ったあと、同期に諏訪大社やオルゴール塔を案内してもらい少しだけ諏訪を知ることができた2日間。

楽しくて、温かくて、歴史を感じた旅でした。
うーん、イイこと沢山ありすぎて伝えきれない!とりあえず諏訪最高です!