国内旅行実務

【独学者向け】旅行業務取扱管理者 試験|国内旅行実務「JR料金の特例」

原則的なJR料金の計算を学んだ後には、料金通算の可否や山形・秋田新幹線などの特例について触れていきます。
本単元で学ぶ内容は以下のとおりです。

 

「JR料金の特例」学習内容

  • 料金の通算:新幹線の乗り継ぎ、「最速型」と「最速型以外」、グランクラス、在来線の特急列車の乗り継ぎ
  • 料金通算が出来ない場合:JR各社にまたがる場合、グランクラス
  • 山形新幹線と秋田新幹線:「つばさ」と「こまち」の新幹線区間、「つばさ」と「こまち」の在来線区間、新幹線と在来線の乗り継ぎ

 

勉強してまず思ったのは、「え、つばさやこまちって在来線区間あったの・・・?」です。
消費者の立場ではお金を支払うだけですが、いざ計算するとなると新幹線か在来線かの違いは大きいですね。

 

料金の通算

特急料金や急行料金、グリーン料金などのJR料金の計算について、原則、個々の列車ごとに計算されます。
しかし以下の場合は、特例として2つ以上の特急列車を乗り継いでも、1つの特急列車とみなして通しで計算できるのです。

 

  • 新幹線内で乗り継ぎ
  • 「最速型」と「最速型以外」の新幹線の乗り継ぎ
  • グランクラスを利用する場合
  • 在来線の特急列車の乗り継ぎ

 

新幹線内で乗り継ぎ

同一会社内・同一方向(上り・下り)の2つ以上の新幹線を改札から出場せずに乗り継ぐ場合、1つの新幹線とみなして料金を通算できる

 

また乗り継ぐ列車ごとに使用する設備・車両が異なる場合、以下の①と②にしたがって特急料金を計算します。

 

乗り継ぐ列車ごとで利用設備・車両が異なる場合

  1. 普通車指定席と普通車自由席を乗り継ぐ場合:全区間に普通車指定席特急料金を適用する
  2. グリーン車と普通車を乗り継ぐ場合:全区間に対し、グリーン車を利用する場合(530円引き)の特急料金を適用する

 

料金の通算は原則として「同一会社内・同一方法」ですが、東海道新幹線(JR東海)と山陽新幹線(JR西日本)の乗り継ぎのみ、会社が異なっても両新幹線区間の料金を通算することができます。

 

「最速型」と「最速型以外」の新幹線の乗り継ぎ

東北新幹線、東海道新幹線、山陽新幹線の区間内で、「最速型」である「はやぶさ」「こまち」「のぞみ」「みずほ」の指定席に乗車するとき、特急料金は乗車区間によって少し高く設定されています。

 

「最速型」と「最新型以外」の新幹線の乗り継ぎにおける料金計算

  1. 最速型新幹線の「指定席」利用:最速型以外の新幹線の特急料金(全乗車区間)+最速型新幹線の差額(乗車区間)
  2. 最速型新幹線の「自由席」利用:最速型以外の新幹線の特急料金(全乗車区間)

 

グランクラスを利用する場合

北海道・東北・上越・北陸新幹線には、グリーン車よりもさらにグレードの高いグランクラス座席があり、2種類の料金が設定されています。

 

グランクラスの料金設定

  • (A):飲料・軽食あり
  • (B):飲食・軽食なし(グランクラスシートのみ)

 

グランクラス料金の計算方法は、通常のグリーン料金の計算と同じように「乗車区間の営業キロをもとに所定の額を適用」され、料金・種類が異なる場合の計算方法は以下のとおりです。

 

料金・種類が異なる場合の計算方法

  • 料金の異なるグランクラスの乗り継ぎ:グランクラス全乗車区間に対し(A)適用
  • グリーン車とグランクラスの乗り継ぎ:グリーン料金(全乗車区間)+差額(グランクラスの乗車区間)

 

在来線の特急列車の乗り継ぎ

以下の各区間内において指定された駅でJ特急列車を乗り継ぐ場合、改札から出場しない限り、1つの特急列車とみなして特急料金・グリーン料金を通して計算できます。

 

四国内

 

乗車区間 指定乗継駅
岡山(または高松)-宇和島 宇多津、丸亀、多度津、松山
岡山(または高松)-窪川 宇多津、丸亀、多度津、高知
岡山-牟岐 徳島
徳島-高知 阿波池田

 

山陰本線・福知山線

 

乗車区間 指定乗継駅
京都-城崎温泉(山陰本線経由) 福知山
新大阪-城崎温泉(福知山線経由) 福知山

 

博多-宮崎空港間

 

乗車区間 指定乗継駅
博多-宮崎空港 大分

 

大阪-和倉温泉間

 

乗継区間 指定乗継駅
大阪(新大阪)・京都-和倉温泉 金沢

 

札幌-稚内間、札幌-網走間

 

乗継区間 指定乗継駅
札幌-稚内 旭川
札幌-網走 旭川

 

料金通算ができない場合

JR各社にまたがる新幹線の乗り継ぎ

1つの新幹線に乗車する・改札出ずに乗り継ぎする場合でも、以下の新幹線の乗車区間に該当するときは全区間の料金を通算することはできません。

 

  • 東海道新幹線+山陽新幹線+九州新幹線(3つの新幹線区間にまたがる)
  • 山陽新幹線+九州新幹線(2つの新幹線区間にまたがる)
  • 東北新幹線+北海道新幹線(2つの新幹線区間にまたがる)
  • 北陸新幹線(JR東日本+JR西日本)

 

上記の乗車区間では料金を通算しない点では共通しているものの、運行会社の違いによって計算ルールが少しずつ異なるのです。

 

東海道新幹線+山陽新幹線+九州新幹線

東海道新幹線の東京-京都間の各駅と九州新幹線の各駅相互間に乗車する場合
「東海道・山陽新幹線の区間」と「九州新幹線の区間」に分けて、別々に料金を計算する

 

東海道・山陽・九州の3つの新幹線区間を直接運転する新幹線は運行されていないため、必ず途中駅で乗り換えが生じます。

 

またそもそもの話、東海道・山陽・九州の3つの新幹線区間に対する通しの特急料金は設定されていないのです。

 

山陽新幹線+九州新幹線

山陽・九州新幹線を直通・乗り継ぎ(改札出ず)で利用する場合

「山陽新幹線の区間」と「九州新幹線の区間」に分けて、別々に料金計算する

 

山陽・九州新幹線の「普通社自由席」を利用した場合は原則通りですが、「指定席」を利用する場合は以下の変則ルールが適用されます。

 

山陽・九州新幹線の指定席を利用する場合

  • 山陽新幹線区間の特急料金:乗車日による±200円、グリーン車利用-530円
  • 九州新幹線区間の特急料金:乗車日にかかわらず一律-530円

 

東北新幹線+北海道新幹線

東北・北海道新幹線を直津・乗り継ぎ(改札出ず)で利用する場合

「東北新幹線の区間」と「北海道新幹線の区間」に分けて、別々に料金計算する

 

山陽・九州新幹線と同じように、以下の変則的なルールが適用されます。

 

東北・北海道新幹線の特急料金

  • 東北新幹線区間の特急料金:乗車日による±200円、グリーン車利用-530円
  • 北海道新幹線区間の特急料金:乗車日にかかわらず一律-530円

 

北陸新幹線(JR東日本+JR西日本)

北陸新幹線の料金(JR東日本+JR西日本)

  • 特急料金:駅間ごとに定められた額を適用
  • グリーン料金:JR東日本、JR西日本の区間ごとに計算(グリーン料金は通算不可

 

北陸新幹線の全運行区間(東京-金沢間)のうち、東京-上越妙高間はJR東日本、上越妙高-金沢間はJR西日本が運行しているので料金通算はできません。

 

JR各社にまたがる場合のグランクラス料金

グランクラス料金には、「単一の会社」と「JR各社」にまたがる場合で料金に違いがあります。

 

単一の会社内でグランクラスに乗車する場合
特急料金(小児半額)-530円+営業キロで定められたグランクラス料金(小児同額)

 

JR各社にまたがってグランクラスに乗車する場合
会社ごとに区間を分けてグランクラス料金を計算する

 

会社ごとに区間を分けて計算されるグランクラス料金は、単一の会社内で適用されるよりも定額に設定されています。

 

山形新幹線と秋田新幹線

山形新幹線と秋田新幹線は一般に「新幹線」とされているものの、運行経路の一部は在来線として位置づけられています。

 

新幹線区間 在来線区間
山形新幹線(つばさ) 東京-福島 福島-新庄
秋田新幹線(こまち) 東京-盛岡 盛岡-秋田

 

「つばさ」東京-新庄、「こまち」東京-秋田は直通運転であるものの、新幹線区間と在来線区間があるため、料金計算のうえでは「新幹線」と「在来線特急」の2つの列車に乗車したものとして取り扱われるのです。

 

東北新幹線区間・在来線区間だけに乗車

「つばさ」「こまち」の東北新幹線区間だけに乗車するなら東北新幹線の特急料金を適用し、在来線区間だけなら在来線の特急料金を適用します。

なお「繫閑期による±200円」「グリーン料金利用-530円」も原則通り適用。

 

東北新幹線と在来線区間とを乗り継いで乗車

東北新幹線と在来区間とを当日中に乗り継ぐ場合、東北新幹線区間には新幹線の特急料金を適用し、在来線区間には「特定の特急料金」を適用します。

 

特定の特急料金

利用設備 通常期の特定の特急料金を基準とする
普通車指定席 繁忙期 140円増し、通常期 増減なし、閑散期 140円引き
自由席、グリーン車 380円引き

 

「つばさ」「こまち」のグリーン車に乗車する場合、乗車する区間が以下の①か②に該当する場合、新幹線区間と在来線区間の営業キロを通算し、通しのグリーン料金を適用できます。

 

グリーン料金の適用

  1. 東北新幹線の東京-福島間と「つばさ」の在来線区間を直通して乗車する場合
  2. 東北新幹線の東京-盛岡間と「こまち」の在来線区間を直通して乗車する場合

 

確認テストしました!

結果は・・・6問中3問正解!

運賃同様、計算問題は慣れないとだめですね。何度も解くことが大切!

問題文を読んだときに、どの知識が必要になるかが即うかぶような状態を目指します。

まとめ

ここにタイトルを入力
  • 「新幹線内」「グランクラス利用」「在来線の特急列車」の乗り継ぎは、特例として1つの列車とみなして料金計算
  • 改札を出ずに1つの新幹線に乗車する場合でも、料金通算ができない区間がある

まとめに書いているものは少ないのですが、料金通算ができる・できないのケース一つ一つをみると、なかなか理解が必要ですし、計算練習もしていかなければなりません。

全項目を勉強し終わったあと、力をいれる部分になりそうです。

 

今回の旅先「滋賀県 信楽町」

知り合いが「信楽県立陶芸の森」で作品を展示すると聞いて、同僚に声をかけて遊びにきたときの話です。
信楽には何度も来ているのですが、観光で見て回ったことはなかったので、今回の旅をとても楽しみにしていました。

信楽というと、あのたぬきの「信楽焼」が有名ですが、他にも素敵なところが沢山あるんですよ!
まず陶芸の森では信楽焼に詳しくない私でも、広い敷地内にある様々なオブジェクトで楽しめましたし、アーティストの方々が泊まり込みで作品を仕上げてるのも見れて感動しました。

陶芸の森以外にも奈良時代に聖武天皇が営んだ離宮・紫香楽宮跡や高野山真言宗のお寺である玉桂寺があります。
特に私は紫香楽宮跡が大好きで、この場所に行くとはるか昔の光景が見えるような気がするのです。

私にとって信楽は、親しみやすくも、どこか神秘的な場所で、何度でも足を運びたくなる場所なんでよね。不思議な場所です。