標準旅行業約款における「第三章 契約内容の変更」では、以下の3項目について書かれています。
「企画旅行契約の変更」学習内容
- 契約内容の変更:旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合、旅行者からの変更
- 旅行代金の額の変更:運送機関の適用運賃・料金が大幅に変更、契約内容が変更、運送・宿泊機関等の利用人員が変更、旅行代金の増額が認められないケース
- 旅行者の交替:契約上の地位の譲渡
前回に引き続き、今回も企画旅行契約の内容となっています。
「企画旅行契約の締結」では申込方法やら成立時期やら、ボリュームも多くてまとめるのに一苦労です。
テキストをざーっとみると、ほかに国際運送約款と国内旅客運送約款が長いんですよね~
といってても仕方がないので、勉強していきましょう!
Contents
契約内容の変更
「契約の変更」の一つである「契約内容の変更」は、2つの状況に対応することとなります。
契約の変更となる状況
- 旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合
- 旅行者からの変更
旅行業者の関与しない事由が生じた場合
旅行業者の関与しない事由が生じた場合の対応
- 原則:あらかじめ速やかに説明が必要
- 例外:緊急でやむを得ないときは事後の説明でも可
旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合、旅行の安全・円滑な実施を図るために、旅行日程・旅行サービスなどの企画旅行契約の内容を変更することがあります。
旅行業者の関与し得ない事由
- 天然地変・戦乱・暴動
- 運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止(欠航・運休・休業など)
- 官公署の命令
- 当初の運行計画
「官公署の命令」とは「政府機関の命令によって、特定の場所が立ち入り禁止になるなど」です。
いま2020年5月初旬で政府から外出自粛の要請が出されていて、この場合は「官公署の命令」にあてはまるんかな?ふむ。
旅行業者の関与し得ない事由で契約内容を変更する場合、あらかじめ旅行者に理由と因果関係を速やかに説明しなければなりませんが、緊急であれば事後報告も可能です。
またいずれの場合も、旅行者から承諾を得る必要はありません。
旅行者からの変更
受注型企画旅行契約に限り、旅行者は旅行日程・旅行サービスなどの契約内容の変更を申し出ることができ、旅行業者は可能な限り求めに応じなければなりません。
そもそも受注型企画旅行は旅行者からの依頼に基づいて旅行計画を作成するものなので、変更も旅行者からの申し出で可能になるということです。
なお募集型企画旅行は旅行業者が依頼によらず旅行計画を立てているので、旅行者から変更の申し出をすることはできません。
旅行代金の額の変更
旅行業者が旅行代金の額を変更できるケースは3つあります。
旅行代金の額を変更できるケース
- 運送機関の適用運賃・料金が大幅に変更されたとき
- 契約内容が変更になったとき
- 運送・宿泊機関等の利用人員が変更になったとき
運送機関の適用運賃・料金が大幅に変更されたとき
増額した場合
- 旅行開始前の前日から起算して15日目より前に増額通知を旅行者にしなければならない
- 増額された範囲内で旅行代金の額を増額できる
減額した場合
- 減額通知の期限はない(いつでもできる)
- 減少された額だけ旅行代金の額を減額しなければならない
たとえばオイルショックなど著しい経済情勢の変化によって、利用する予定だった運送機関の適用運賃・料金が大幅に変更となる事態になったとします。
変更後の額が「募集のとき(募集型企画旅行)」または「企画書面の交付のとき受注型企画旅行」に明示した適用運賃・料金に比べて、想定の範囲を大幅に超えて増額または減額される場合、一定の方法に則って旅行代金の額を増加または減少することが可能です。
旅行契約内容が変更になったとき
「契約内容の変更」によって旅行の実施にかかる費用が減少または増加した場合、旅行業者はその範囲内で旅行代金の額を変更できます。
たとえば利用予定だった列車が災害により運休したことで、宿泊機関を変更したとします。
その際に生じた取消料などを、旅行者の負担として旅行代金に増額することができるというわけです。
運送・宿泊機関等の利用人員が変更になったとき
「運送・宿泊機関等の利用人員により旅行代金が異なる旨」を契約書面に記載した場合、利用人員が変更になったときは旅行代金の金額を変更することがあります。
ただし契約成立後に旅行業者の故意・過失が原因で、変更になった場合はあてはまりません。
旅行代金の増額が認められないケース
運送・宿泊機関等の諸設備(座席、部屋など)の不足が生じたときは、旅行代金の増額は認められません。
運送・宿泊機関等が旅行サービスの提供をしているにもかかわらず、過剰予約受付などで座席や部屋などの諸設備の不足があったとします。
この場合に旅行業者は契約内容を変更することはできますが、旅行費用が増加しても旅行代金を増額することはできません。
旅行者の交替
企画旅行契約を締結した旅行者は、旅行業者の承諾を得ることによって、契約上の地位を第三者に譲り渡すことができます(契約上の地位の譲渡)。
契約上の地位の譲渡における取り扱い
- 旅行業者の承諾を求めるときには旅行業者所定の用紙に必要事項を記入して、所定の金額の手数料とともに提出しなければならない
- 旅行業者の承諾があった時に、契約上の地位の譲渡は効力を持つ
- 譲り受けた第三者は、企画旅行契約に関する一切の権利・義務を承継する
なお旅行者交替の申し出があったとしても、旅行業者は必ずしも応じる義務はありません。
確認テストしました!
結果は・・・6問中5問正解!うーん、まずまずかな。
間違った箇所は「旅行代金を増額する場合の通知期限」です。
通知期限があるのは「運送機関の適用運賃・料金が著しい経済情勢の変化等により明示した金額を超えて増額する場合」となります。
旅行代金を増額する場合、全てにあてはまるわけではなかったですね。うむ、理解不足。
まとめ
- 契約の変更は「旅行業者が関与し得ない事由が生じた」「旅行者からの申し出」の2つ
- 旅行代金の変更は「運送機関が大幅に運賃・料金を変更」「契約の変更」「運送・宿泊機関の利用人員の変更」で増額・減額でも対応が異なる
- 旅行者の交替は可能で「手数料」「旅行業者の承諾」「企画旅行計画の権利・義務を承継」の3つがポイント
まず「変更」が終わりましたね。
この後には「企画旅行契約の解除」「旅程管理・責任」「旅程保証」「特別補償制度」と、なかなかの量ですけど頑張っていきましょう。
今回の旅先 「山口県 萩市」
友だちと自分探しの旅みたいな感じで、山口県を訪れたときのことです。
秋芳洞で自然の雄大さと己の小ささを考え、「所詮人の一生など、この大きな流れの中ではささいなものよ」とすました気持ちになりました。
萩市での素晴らしい出会いは、松陰神社にある「吉田松陰 歴史館」です。
70体以上のろう人形で吉田松陰先生の生涯を表していて、そのリアリティさに愛を感じました。
展示を小一時間ほどみて、帰る頃には吉田松陰先生の教えを書いた本を購入しているという・・・
素朴な外観の中にあふれた愛と尊敬は、遠くから足を運んでも見る価値ありです(個人的に)。