国内旅行実務

【独学者向け】旅行業務取扱管理者 試験|国内旅行実務「団体旅客の取扱い」

原則として8人以上で構成される「団体旅客」は団体の種類・取扱期間で割引率が定められ、無賃扱いの人員も発生することとなっています。
この単元で学ぶのは以下の内容です。

 

「団体旅客の取扱い」学習内容

  • 団体旅客運賃の適用条件:団体の種類、指定保証金、割引率と無賃扱い
  • 団体旅客の運賃・料金の計算:団体旅客運賃の計算手順、特例

 

学生時代に課外授業や修学旅行なんかでは、この団体割引が適用されていたんだなとしみじみ思いました。
嬉しいことにボリュームが少ないので、サクサクと進めていきましょう~

 

団体旅客運賃の適用条件

団体旅客の種類

団体の種類

種類 団体構成条件
学生団体 JRが指定した学校、保育所などの学生、生徒、児童、幼児8人以上と付添人(嘱託の医師・看護師含む)、教職員、同行する旅行業者とによって構成される団体で、教職員が引率するもの
訪日観光団体 8人以上の訪日観光客と同行する旅行業者(ガイド含む)で構成され、責任ある代表者に引率される団体
普通団体 学生団体または訪日観光団体以外の8人以上の旅客で構成され、責任ある代表者に引率される団体

 

団体は構成人員数により大口団体と小口団体に区分され、各々で申込受付期間が異なります。

 

定義 申込受付期間
大口団体 専用臨時列車を1つの団体で使用 始発駅出発日の9ヶ月前から2ヶ月前まで
A小口団体 大口以外で構成人員が31人以上 始発駅出発日の9ヶ月前から14日前まで
B小口団体 大口以外で構成人員が8~30人まで 始発駅出発日の9ヶ月前から14日前まで

 

またJRは指定席を利用する小口団体に対し、指定保証金の支払いを条件として運送を引き受け、その額は申込人員の9割に相当する人員1人につき300です。

 

指定保証金の計算
指定保証金=申込人員×0.9×300円

 

割引率と無賃扱い

団体旅客運賃の割引率は団体の種類によって、以下のように定められています。
なお割引率が適用されるのは運賃だけです。

 

団体旅客運賃の割引率

団体の種類 取扱期間 割引率
普通団体 一般 第1期
第2期
1割引
1割5分引
     専用臨時列車 第1期
第2期
5分引
1割引
訪日観光団体 通年 1割5分引
学生団体 大人(中学生以上) 通年 (大人運賃の)5割引
     小児(小学生以下) 通年 (小児運賃の)3割引
     教職員・付添人等 通年 (大人運賃の)3割引

 

普通団体に対する割引率は乗車日(第1期と第2期)によって異なり、具体的な期間は以下のとおりです。

 

第1期と第2期(普通団体)

第1期 1月1日~1月10日、3月1日~5月31日、7月1日~8月31日、10月1日~10月31日、12月21日~12月31日
第2期 第1期以外の日

 

普通団体と訪日観光団体に対しては、団体の構成人員(旅行業者やガイドなども含む)に応じて、以下のような無賃払いの適用があります。

 

運賃と料金の無賃扱い

団体の種類 構成人員 無賃扱い人員
普通団体 31~50人 1人が無賃
訪日観光団体 15人~50人 1人が無賃

 

団体旅客の運賃・料金の計算

団体旅客運賃の計算手順

団体旅客運賃の計算は、以下の手順によってされます。

 

団体旅客運賃の計算手順

  1. 大人または小児片道普通旅客運賃の算出
  2. 区間ごとに算出した片道普通旅客運賃をすべて合計し、1人あたりの全行程の運賃合計額を算出
  3. 全行程の運賃合計額に割引を適用し、1人あたりの団体旅客運賃の算出
  4. ③で算出した運賃額に運賃収受人員を乗じる

 

1人あたりの料金を計算するときの手順は個人旅客と同じですが、無賃扱いの適用があるときは料金も無賃になることを忘れず!

 

団体旅客運賃計算の特例

団体旅客運賃の計算における特別ルールは、「不乗区間通算」「行程の一部が分岐、折り返しとなる場合の分離計算」の2種類です。

 

不乗区間通算
JRの中間に他運輸機関(貸し切りバスなど)による移動が含まれている場合、不乗区間を乗車したものとみなして通しで計算することで運賃が定額になること

 

乗車券発行時に不乗区間通算の承認を受けることで、実際に乗車するJR区間の距離と不乗区間の距離を通算して、運賃を算出できるのです。

 

行程の一部が分岐、折り返しとなる場合の分離計算
行程中の分岐区間または折り返りの乗車区間がある場合、分岐区間・折り返し区間のみを分離することで運賃が定額になるなら前後の区間の距離を通算できる

 

どちらの特例も個人の普通旅客運賃で同じ計算方法を用いられますが、旅客からの申し出がない限りJR側がこの方法をとることはありません。

 

確認テストしました!

結果は・・・6問中3問正解!

間違った箇所は、

  • 小学生と引率の教職員で構成される学生団体の運賃割引率は通年で3割引き
  • 運賃と料金の無賃扱いについて、51~100人までは2人

です。

あと団体旅客の旅客運賃総額の計算も、運賃計算の部分で間違ってしまいました。汗

一つ一つの単元では理解できているものの、総合的な問題がでたときは間違ってしまいますね・・・

まとめ

「団体旅客の取扱い」まとめ
  • 団体旅客とは原則として8人以上で構成され、旅客が学生・訪日観光客・普通で種類が違う
  • 割引率は団体旅客の種類や取扱期間によって、1割~5割引で定められている
  • 団体旅客運賃は ①全行程の片道計算→②割引適用した1人あたりの運賃計算→③運賃額に人員を乗じる ことで計算

内容自体は難しくないものの、やはり計算問題と絡んでくると総合的な知識が問われるのでチンプンカンプンになってしまいます。

試験前には過去問でまず計算問題に取り組むのが大切ですね。

 

今回の旅先「島根県 出雲市」

「良い縁を願いに行くぞ!」と会社の先輩に言われて、お休みを合わせて出雲大社に行くこととなりました。
まだ20代だし結婚はまだかなあ・・・と思って向かったのですが、どうやら出雲大社でいう「ご縁」とは「人生の配慮」以外もあてはまるのですね。
そう考えてみると、こうして誘ってくれた先輩とのご縁、誘った友人とのご縁などなど、日常において大切なことを願う場所なのだと思いました。

好きなことわざの一つとして、「類は友を呼ぶ」があります。
良い人とのご縁をいただくのは、自分自身が日々精進し良い人間になっていくことが大切なのだと改めて考えさせられたひとときでした。

ただミスったのは若いから夜行バスでの移動を計画にしてしまい、旅行後、1年以上はいじられましたね。

最後の写真は石見銀山です。出雲じゃない。笑