今回の項目では「旅行業務の取扱いの料金」をはじめ、旅行業約款や標識について勉強していきます!
特に旅行業約款は科目2の「標準旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」にもつながりますので、しっかりと内容を理解していきたいものです。
「旅行業務の取扱いの料金・旅行業約款・標識」学習内容
- 旅行業務の取扱いの料金:料金の提示、制定基準
- 旅行業約款・標準旅行業約款:約款の制定、許可、記載事項、変更時の手続き、提示・備え置き
- 標識:標識の提示、種類、記載事項
元会計事務所の人間としては、旅行業務の取扱いの料金は気になりますね。
あと旅行業約款と標識は難しそう。
Contents
旅行業務の取扱いの料金
旅行業務の取扱い料金とは、旅行業務をしたときに旅行業者等が旅行者から受け取る対価をいいます。
旅行業務の内容は「手配旅行」「渡航手続きの代行」「旅行相談」で、一般的に企画旅行(募集型・受注型)は旅行代金に報酬部分が含まれているため該当しません。
料金の提示
事業を開始する前に旅行業者は旅行業務(企画両行を除く)で受け取る料金を定め、営業所で旅行者に見やすいように提示しなければなりません。料金を変更した場合も同様です。
旅行業者代理業者の場合は自らで料金を決めることはできないので、所属旅行業者が定めた料金を営業所に掲示することとなります。
制定基準
旅行業務の取扱いの料金における条件は法律で定められてなく、旅行業者が自由に決めることとなります。
設定する料金は「契約の種類と内容」に応じて「定率・定額」の計算方法などで、旅行者にとって明確でなければなりません。
なお料金の制定・変更については、事前に登録行政庁へ届け出る、認可されるなどは一切不要です。
旅行業約款・標準旅行業約款
法の原則的な考え方としては、「自由な内容・形式で契約を締結できる」とされています。
しかし実際のところ個々で契約内容を決めると、旅行業者・旅行者に多大な負担がかかるので、「旅行契約に関するひな型」である「旅行業約款」が作成されました。
用語の説明
定型的に繰り返される多数の取引について、あらかじめ事業者側が定めておく契約条項。
旅行業約款
旅行者と締結する旅行業務の取扱いに関する約款について、まず旅行業者は旅行業約款を定めて登録行政庁の認可を受けなければなりません。
認可基準
旅行業約款が旅行業者にとって有利な内容になることを避けるため、以下の認定基準があります。
約款の認可基準
- 旅行者の正当な利益を害するおそれがないものであること
- 少なくとも「旅行者との取引に係る金銭の収受・払い戻しに関する事項」「旅行業者の責任に関する事項」が明確に定められているものであること
認可ということは旅行業者が申請書を提出して、登録行政庁が審査するということだけれども、取引におけるトラブルはなくならないんだろうなあ。
約款の記載事項
旅行業約款には以下の事項を記載しなければなりません。
約款の記載事項
- 旅行業務の取扱いの料金その他の旅行者との取引に係る金銭の収受に関する事項
- 運送、宿泊その他の旅行に関するサービスの提供について旅行者に対して交付する書面の種類およびその表示する権利の内容
- 契約の変更および解除に関する事項
- 責任および免責に関する事項
- 旅行中の損害の補償に関する事項
- 保証社員である旅行業者は「保証社員である旅行業者の記載事項」参照
- 保証社員でない旅行業者は営業保証金を供託している供託所の名称および所在地ならびに旅行業務に関し取引をした者は、その取引によって生じた債権に関し営業保証金から弁済を受けることができること
- その他旅行業約款の内容として必要な事項
保証社員である旅行業者の記載事項
- 所属する旅行業協会の名称および所在地
- 保証社員またはその保証社員を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と旅行業務に関し取引した者は、その取引によって生じた債権に関し、当該保証社員が所属する旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受けることができる
- 当該保証社員に係る弁済業務保証金からの弁済限度額
- 営業保証金を供託していないこと
認可基準のとおり「金銭の収受と払い戻し」や「責任および免責」はもちろんのこと、営業保証金・弁済業務保証金のことも記載されるのですね。
変更の手続き
旅行業約款は制定したときだけでなく、既に定めた内容を変更しようとするときも登録行政庁の認可を受けなければなりません。
ただし以下の「軽微な変更」であれば、登録行政庁の認可は不要です。
旅行業約款の軽微な変更
- 保証社員である旅行業者の旅行業約款で、「所属する旅行業協会の名称・所在地の変更」「弁済業務保証金からの弁済限度額の変更」
- 保証社員でない旅行業者の旅行業約款で、「営業保証金を供託している供託所の名称・所在地の変更」
- あらたに保証社員となった場合における旅行業約款の変更
- 保証社員ではなくなった場合における旅行業約款の変更
とりあえず軽微な変更は、営業保証金・弁済業務保証金に関する内容の変更と覚えておこう。
約款の提示・備え置き
旅行業者等は旅行業約款を見やすいように提示する、または閲覧できるように備え置かなければなりません。
各事業者の対応
- 旅行業者:自らで作成した旅行業約款を営業所で提示または備え置く
- 旅行業者代理業者:所属旅行業者が定めた旅行業約款を営業所で提示または備え置く
- 受託旅行業者:自らの旅行業約款だけでなく委託旅行業者が定めた旅行業約款も提示または備え置く
提示してもらったり、備え置いてもらったりしても、確認ができなければ意味がないようなあと思い、勉強のモチベーションが向上しました!
標準旅行業約款
標準旅行業約款とは観光庁長官および消費者庁長官が定めて公示したもので、旅行業者が旅行業約款を標準旅行業約款と定めた場合は登録行政庁の認可を受けたとみなされます。
なぜ作成されたかというと、旅行業者が一から旅行業約款を作成すると大変な労力がかかる上に、登録行政庁も個別審査になるため時間がかかってしまうからです。
双方の負担を軽くするために、標準旅行業約款を公示していて、現状において多くの旅行業者が採用しています。
標識
標識とは旅行業者等がどのような登録を受けているかを判別するもので、営業所において国土交通省令で定める様式の標識を公衆に見やすいよう提示することが義務付けられています。
また標識は一般的に登録票と呼ばれ、旅行業者以外に類似するものも含め標識を提示してはなりません。
標識の種類
標識には4つの種類があり、業種や業務範囲によってわけられます。
旅行業等の種別 | 営業所の業務範囲 | 様式 | 標識の地の色 |
旅行業 | 海外旅行・国内旅行 | 様式1 | 青 |
旅行業 | 国内旅行のみ | 様式2 | 白 |
旅行業者代理業 | 海外旅行・国内旅行 | 様式3 | 青 |
旅行業者代理業 | 国内旅行のみ | 様式4 | 白 |
標識の記載事項
標識の記載事項は「旅行業」か「旅行業者代理業」で異なり、内容は以下のとおりです。
記載事項 | 旅行業 | 旅行業者代理業 |
登録番号 | 〇 | 〇 |
登録年月日 | 〇 | 〇 |
有効期間 | 〇 | × |
所属旅行業者登録番号および氏名または名称 | × | 〇 |
氏名または名称 | 〇 | 〇 |
営業所の名称 | 〇 | 〇 |
旅行業務取扱管理者の氏名 | 〇 | 〇 |
受託取扱企画旅行 | 〇 | 〇 |
旅行業者代理業には有効期間がありませんし、旅行業には所属旅行業者は関係ないので納得がいきますね。
確認テストしてみました!
結果は・・・9問中6問正解!正解率下がってる!
間違った箇所をみてみると、結構しょうもないところをミスってます。
勉強をしてから確認テストをするまでに時間が空いてしまったこともあり、料金の制定や変更には届出・認可が不要であることや、「旅行者に見やすいよう掲示する」といったところを忘れていました。
あと色!青と白って少ないから「覚えられるだろ」って甘くみてしまってるんですよね。海外は青!それだけ!
・・・旅行業約款の記載事項は、科目2「標準旅行業約款」で覚えます。
まとめ
- 旅行業務の取扱いの料金は事業の開始前に定めるが、届け出や許可などは不要
- 旅行業約款は登録行政庁の認可が必要だが、変更については「軽微なもの」であれば不要
- 標識は業種(旅行業と旅行業者代理業)や業務範囲(海外旅行・国内旅行)で4種類にわけられる
「旅行業務の取扱いの料金・・・ごくり」と意気込んでいましたが、内容がさらっとしていたので、なんだか肩透かしをされた感じです。
実務では「企画旅行の報酬部分はいくらにするか」「競合はいくらか」など考えて、値決めをしてみたいと思いました。
とりあえず、お疲れ様です!
今回の旅先 「大阪府 千早赤坂村」
大阪府内で唯一の村であり、最も人口が少ない村。それこそが「千早赤坂村」。
ここに何があるかというと、「楠木正成ゆかりの地」と「下赤坂の棚田」です。
棚田好きの私にとって「日本の棚田百選」は当然のごとく制覇するもので、いつかは行きたいと思っていたのです。
それと楠木正成の千早城・下赤坂城・上赤坂城は、あまりにも有名すぎますね。
ありがたいことに知人が車を出して下さり、公共機関では中々いけない千早赤坂村にたどり着いたのです。
現地にいられた時間は2時間程度だったのですが、とても楽しい時間を過ごしました。
残念ながら「楠木正成ゆかりの地」はいけませんでしたので、次こそは歴史の知識もつけてGO!それにしても棚田の写真オンリーは自由すぎました。