旅行業務取扱管理者

旅行業務取扱管理者試験の情報収集|過去問分析や講座・独学の選択など

「旅行業務取扱管理者の試験では、どんな問題が出るの?」
「講座と独学だったら、どっちがいいかなあ…」

 

資格取得を目指そうと決めたものの、いざ具体的に考えようと思うと迷ってしまうのが実際のところ。

 

この記事では「過去問分析」や「講座と独学」の比較など、勉強方針を立てるための情報をお伝えします。

 

「今から勉強を始める人」「受験を検討している人」はぜひご覧ください。

 

旅行業務取扱管理者になるには

「旅行業務取扱管理者」は営業所ごとに1人以上置かなければならないと法律で定められていて、豊富な知識や技術を必要とする旅行業界における国家資格の一つです。

 

旅行業務取扱管理者の資格を取得するには、年に一回だけ実施される試験に合格しなければなりません。

 

試験概要

受験資格 誰でも受験可
願書受付期間 国内 6月上限~7月上旬、総合 7月上旬~8月上旬
試験日 国内 9月上旬の日曜日、総合 10月上旬の日曜日
合格発表日 国内 10月下旬、総合 11月中旬
受験手数料 国内 5,800円、総合 6,500円
試験時間 国内 120分、総合 200分
出題形式 解答はすべてマークシート方式

 

国内・総合試験には科目免除・科目合格制度があり、一回の試験で全ての科目に合格しなくても取得することができます。

 

科目免除・科目合格制度

  • 科目免除制度:国内旅行業務取扱管理者資格を持っている場合、合格の次年度以降における総合試験では「旅行業法」「国内旅行実務」の2科目が免除
  • 科目合格制度:「国内旅行実務」または「海外旅行実務」が合格基準に達した場合、科目の一部合格とし翌年の試験においてのみ科目の受験が免除

 

もし一年目で勉強時間が足りなかったら、力を入れる科目を決めて他は捨てるという選択もあるようですね。

 

過去問から見る試験内容

出題科目

試験科目は国内試験が3科目、総合試験は4科目で実施され、試験時間は120分となります。

 

国内試験

  • 旅行業法及びこれに基づく命令:100点(25問)
  • 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款:100点(25問)
  • 国内旅行実務:100点(38問)

 

総合試験

  • 旅行業法及びこれに基づく命令:100点(25問)
  • 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款:100点(30問)
  • 国内旅行実務:100点(32問)
  • 海外旅行実務:200点(52問)

 

解答はすべてマークシート方式で、国内試験は「四肢択一、与えられた語群の中から正解の選択」、総合試験は「四肢択一、説明文の正誤の判断」をする問題です。

 

過去問

国内・総合試験では、どのような試験が出るかをみていきましょう。

 

国内試験(2019年度)

1.旅行業法及びこれに基づく命令
【設問】次の記述のうち、法第1条「目的」に定められているものはどれか。

ア.旅行業等を営む者の業務の適切な運営の確保
イ.旅行業等を営む者を通じた訪日外国人旅行者の誘致と観光立国の促進
ウ.旅行業等を営む者を通じた地方創生と国民経済の発展
エ.旅行業等を営む者が組織する団体の活性化による国際親善の促進

 

上記のような単純に知識を求められる問題もあれば、文章を読んで正誤を選択する問題もあります。

 

2.旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
【設問】募集型企画旅行契約の部「適用範囲」「用語の定義」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

ア.「通信契約」とは、旅行代金の決済方法にかかわらず、旅行業者が、電話、郵便、ファクシミリその他の通信手段による申し込みを受けて締結する契約をいう。
イ.「カード利用日」とは、旅行者又は旅行業者が契約に基づく旅行代金等の支払い又は払い戻し債務を履行すべき日をいう。
ウ.「国内旅行」とは、本邦内のみの旅行をいい、「海外旅行」とは、国内旅行以外の旅行をいう。
エ.旅行業者が旅行者との間で締結する契約は、約款の定めるところによる。約款に定めのない事項については、法令又は一般に確立された慣習による。

 

「旅行業法及びこれに基づく命令」の問題と同じように、出題範囲における知識を問う問題と読解問題があります。

全部で25問ですが文章量も多く、読解スピードも注意した方がよさそうです。

 

3.国内旅行実務
【設問】火口湖である御釜や陶器に見られる樹氷で知られ、山麓にある温泉やスキー場で人気がある山形県と宮城県にまたがる山(連邦)は、次のうちどれか。ア.蔵王山  イ.白根山  ウ.八甲田山  エ.八ヶ岳

 

国内だけでも(嬉しいことに)観光資源の量は多く、テキストだけでは足りないかもしれないので別で勉強しなければいけないでしょう。

 

また上記の問題のような一問一答形式だけでなく、メインは具体的な旅行計画を基に時間や走行距離、運賃などを求める問題もあります。

 

知識だけでなく計算も必要になってきますが、解答方法を抑えておけば問題はなさそうです。

 

ありがたいことに過去問は、試験実施団体である(一社)全国旅行業協会のホームページで5カ年分も掲載されています。

 

総合試験

1.旅行業法及びこれに基づく命令
【設問】登録業務範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。a.第1種旅行業者は、すべての旅行業務を取り扱うことができる。
b.第2種旅行業者は、本邦内のすべての旅行業務を取り扱うことができる。
c.第3種旅行業者は、本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)は実施できないが、本邦外の手配旅行は取り扱うことができる。
d.地域限定旅行業者は、本邦外の旅行を一切取り扱うことができない。

 

出題範囲と傾向は国内試験と同様です。

 

2.旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
【設問】特別補償規程における「サービスの提供を受けることを開始した時」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(添乗員、旅行業者の使用人又は代理人による受付が行われない場合とする。a.最初の運送・宿泊機関等が鉄道であるときは、改札の終了時又は改札のないときは当該列車乗車時
b.最初の運送・宿泊機関等が車両であるときは、当該車両の出発時
c.最初の運送宿泊機関等が航空機であるときは、乗車のみが入場できる飛行場構内に おける手荷物の検査等の完了時
d.最初の運送・宿泊機関等が美術館であるときは、当該施設の利用手続き終了時

 

「旅行業法及びこれに基づく命令」と同じく、出題範囲や傾向は国内試験のとおりです。

 

3.国内旅行実務
【設問】次の観光地等のうち、「古都奈良の文化財」として世界文化遺産に登録されていないものはどれか。a.春日山原始林  b.三十三間堂  c.東大寺  d.平城宮跡

 

「旅行業法及びこれに基づく命令」や「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」と同じく、出題範囲や傾向は国内試験のとおりです。

 

4.海外旅行実務
【設問】次の下線部a.~d.のうち、誤っているものはどれか。三峡クルーズは長江の駐留にある(a.三門峡)、(b.巫峡)、西陵峡の3つの険しい大峡谷を船に乗って巡る旅で、三国志の舞台として名高い(c.白帝城)、断崖に作られた木造建築の(d.石宝寨)なども楽しめる。

 

「海外旅行実務」のメインは、なんといっても「英文問題」

 

2019年度の試験における配当割合は英文問題が4割であり、知識だけでなく英語もある程度は読めなければなりません。

 

また「国内旅行実務」同様に世界の観光資源について問われますので、どう勉強をするのかというのも考えものです。

 

こちらもありがたいことに、(一社)日本旅行業協会のホームページで5カ年分もダウンロードが可能です。

 

講座と独学どっちにするか

「合格したい!」と意気込んだところで、まず「講座と独学どちらにするか」という選択をしなければなりませんよね。

 

簡単に講座と独学にわけて、値段や評価などを比較してみました。

講座

 

国内試験

業者名 講座形式 値段 合格者数 合格率
フォーサイト 通信 31,680円 93人(総合含む) 82.8%
ユーキャン 通信(テキスト) 51,000円 記載なし 記載なし
LEC東京リーガルマインド 通信(映像あり) オンライン 71,500円、DVD 78,100円 記載なし 記載なし
トラベル&コンダクターカレッジ 通学 79,000円 302人 74%
True Japan School(国内のみ) 通信(映像あり) 39,800円 記載なし 記載なし

 

総合試験

業者名 講座形式 値段 合格者数 合格率
フォーサイト 通信 47,080円 93人(国内含む) 77.8%
ユーキャン 通信(テキスト) 59,000円 記載なし 記載なし
LEC東京リーガルマインド 通信(映像あり) オンライン 45,100円、DVD 49,500円 >記載なし 記載なし>
トラベル&コンダクターカレッジ 通学 133,000円 126人 47.7%

 

通信講座を取り扱っているところが多く、「通信だと中々できない」という方にはトラベル&コンダクターカレッジが実施している通学講座があります。

 

値段は3万円~13万円と幅があり、独学でテキスト代だけを考えるとやっぱり割高感は感じてしまいますね。

 

添削や模試が含まれていたり、不合格の場合に翌年度も受講が可能だったりしますので、時間はないけれども何としても受かりたい人向けです。

 

独学

 

著者名 値段 評価 口コミ件数
ユーキャン 3,080円(過去問別) Amazon ★5 Amazon 11件
資格の大原 6,820円(過去問別) Amazon ★4.5 Amazon 6件
トラベル&コンダクターカレッジ 2,640円(過去問別) Amazon ★4 Amazon 1件
TAC 2,860円(過去問のみ) Amazon ★5 Amazon 2件
児山寛子さん(国内旅行のみ) 1,760円(過去問別) Amazon ★4 Amazon 6件
塚越公明さん 1,760円(過去問別) なし なし

※ 評価および口コミ件数は2019年度を参考に掲載しています。

 

やはり一番選ばれているのは「ユーキャン」のテキストで、かくいう私も購入し情報量とわかりやすさを併せ持っているという印象です。そしてブ厚い。

 

「資格の大原」が出しているテキストはスマホ対応の電子版がついているものの、(なぜか)4科目で分けられた上にトレーニング・問題集は別というもの。

トータルでみたら1万円以上かかってしまうので、また講座と迷ってしまいますね。

 

口コミの内容をみると児山寛子さんの著書である「一発合格!国内旅行業務取扱管理者試験 テキスト&問題集」は、とりわけ地理問題に強く、一冊で合格できるという方もいました。

国内旅行だけ受験するのであれば、検討してもいいテキストですね。

 

まとめ

旅行業務取扱管理者の情報
  • 国内試験では法律・観光資源などの知識問題と、時間や運賃などの計算問題がある
  • 総合試験では国内試験の範囲に加えて世界の観光資源と英文問題が追加
  • 講座か独学かは資格取得にかけられる時間とお金で判断を

 

たしかに4科目で出題範囲は広いものの、決して独学での合格は難しくない試験です。

 

仕事をしていて勉強に時間がとれない人は別として、自分だけの力で合格を目指すというのは成長にもつながるはず。

 

・・・ということで、私は独学で頑張ります!
私HEYPON個人における勉強方針も詳しく書いていますので、「自分も独学で頑張るぞ!」という方はぜひご覧ください!一緒に頑張りましょう。

 

今回の旅先 「福岡県 太宰府市」

奈良国立博物館に触発されて「ほかの国立博物館がみたい!」と思い立ち、仕事の合間をぬっていった福岡県太宰府市。
九州国立博物館では「大陸と日本」をテーマとした展示がとても面白かったことに加えて、太宰府市の街並みは電車から見える景色から素晴らしかったです。
はるか昔の日本では太宰府が九州の中心地であることを想像し、想像は次から次へと膨らみ、どんな政治が行われて住民はどんな暮らしをしているのかなどに考えをめぐらします。
あいにく私の知識が追い付いてなく、今思うと少しもったいない気がするんですよね。

そして思うのは、「またいきたい!」ということ。