運賃を計算するには適切な手順と必要な知識があり、それらを持っているのであれば誰しもの答えが一致します。
この項目で学習するのは以下のとおりです。
「JR運賃の計算」の学習内容
- 運賃計算の基本:基本手順、計算に使用する距離
- 運賃の計算は3種類:幹線、地方交通線、幹線と地方交通線
- 本州3社と3島の連続乗車:計算手順、事例
- 他に覚えておくこと:営業キロ等の通算と打ち切り、通過連絡運輸
最初にテキストを読んだ時はチンプンカンプンでしたが、何度か計算するうちに慣れてくるのです。
いままで文章を読むだけでしたが、国内実務のJR運賃・料金では計算があって何だか楽しいですね!
Contents
運賃計算の基本
運賃計算の基本手順
JRの運賃は距離(キロ数)に応じて定められ、以下の手順に従って計算されます。
運賃計算の基本手順
- 乗車する行程の距離(キロ数)を算出
- ①で算出した距離を運賃表にあてはめて運賃を算出
※②の段階で1㎞未満の端数がある場合は、1㎞単位に切り上げてから運賃を計算
はじめにテキストで「JRの運賃・料金」の範囲を読んだときは、ページ数が多いことに恐れをなして困惑していましたが、落ち着いて学んでみるとシンプルですね。
運賃の原則としては、「距離を求めて運賃表にあてはめる」。よし覚えた!
計算に使用する距離
運賃計算のキモともいえる「距離」について、3種類と多くないので要暗記です。
営業キロ
- 駅と駅との間の距離を示したキロ数
- JRの全路線(幹線および地方交通線)に定められている
・・・?
もはや営業キロだけ覚えればよくないか、と思ってしまうのですが、そうは問屋が卸さないということですね。
換算キロと擬制キロ
- 地方交通線のみに定められた距離
- 営業キロを1割増しにした距離
- 換算キロ⇒JR本州3社の地方交通線、JR北海道の地方交通線
- 擬制キロ⇒JR四国の地方交通線、JR九州の地方交通線
ほおほお。
たしか用語の定義で「地方交通線」について、「利用客が少ないことで生じる赤字分を補填するのに、運賃は幹線よりも1割程度高い」と書かれていたな。
換算キロ・擬制キロというのが、運賃を1割高くする基の距離という理解をしました。
運賃計算キロ
- 営業キロと換算・擬制キロを合計した距離
営業キロ、換算・擬制キロ、運賃計算キロ・・・よし覚えた!
運賃の計算は3種類
運賃の計算は以下の3種類に分けられます。
運賃の計算方法
- 幹線だけを利用
- 地方交通線だけを利用
- 幹線と地方交通線を連続して利用
上記の運賃計算は「どの路線に乗るか」によって、使用する「距離(営業キロ、換算・擬制キロ、運賃計算キロ)」と「運賃表」が異なるので要注意ですね。
各計算方法で使用する距離と運賃表をまとめると以下のとおりです。
幹線のみ
会社 | 適用キロ | 運賃表 |
北海道 | 営業キロ | (幹線用)運賃表 |
本州3社 | 営業キロ | (幹線用)運賃表 |
四国・九州 | 営業キロ | 普通運賃表 |
地方交通線のみ
会社 | 適用キロ | 運賃表 |
北海道 | 営業キロ | (地方交通線用)運賃表 |
本州3社 | 営業キロ | (地方交通線用)運賃表 |
四国・九州 | 擬制キロ | 普通運賃表 |
幹線と地方交通線の連続
会社 | 適用キロ | 運賃表 |
北海道 | 運賃計算キロ(営業+換算) | (幹線用)運賃表 |
本州3社 | 運賃計算キロ(営業+換算) | (幹線用)運賃表 |
四国・九州 | 運賃計算キロ(営業+擬制) | 普通運賃表 |
幹線のみは営業キロ、地方交通線は会社による、幹線・地方交通線は運賃計算キロで<幹線用>運賃表に合わすと、とりあえずは覚えておきます。
擬制を定めるJR四国とJR九州には運賃表が一つしかなく、営業キロを擬制キロに換算して計算するというのも要注意ですね。
本州3社と3島の連続乗車
「本州3社内のみ」「3島の各会社のみ」の計算方法はわかりましたが、「本州3社と3島各会社」を連続して乗る場合はどうなるのかという疑問が湧いてきますね。
・・・まあ、私は単純なので疑問も浮かばず、「旅したいな」くらいしか考えてないんですけれども。
計算手順
JR本州3社と3島では異なる運賃表を使っているため、連続して乗る場合は以下の手順によって運賃計算をします。
本州3社と3島を連続して乗車する場合の計算
- 乗車する全区間の距離を本州3社内の運賃表に照らして通しの運賃を算出(基準額)
- 境界線から3島の乗車距離に応じた「本州3社の運賃との差額」を算出(加算額)
- 基準額と加算額を合計する
差額計算するんだったら、本州3社内のどこからから境界線までの距離に応じた運賃と、境界線から3島各会社のどこかまでの運賃を合計した方がいいのでは?と思うんですが。
・・・って、加算額表あるんかい!
本州と3島(北海道、四国、九州)の境界駅は以下のとおりです。
本州と3島の境界駅
- 新青森(JR北海道-JR東日本)
- 児島(JR西日本-JR四国)
- 下関(JR西日本-JR九州)
- 小倉(JR西日本-JR九州)
- 博多(JR西日本-JR九州)
実家が青森なので、テキストで「新青森」がでてくるのは嬉しい!
事例
計算方法がわかっても、やってみないとわからないというのが世の常ですよ。
いくつかの事例をみていきましょう。
本州3社と北海道を連続して乗る
仙台-(幹線:営 361.9km)-新青森-(幹線:営 148.8km)-新函館北斗
この場合は①全区間の距離をもとに基準額(営業キロでJR本州3社内幹線用運賃表)を算出し、②JR北海道内の距離をもとに加算額(営業キロでJR北海道内の加算額表)を算出し、③基準額と加算額を合算します。
本州3社と四国を連続して乗る
高松-(幹線:営 44.0km)-児島-(幹線:営 27.8km)-岡山-(幹線:営 176.5km)-大阪
この場合は①全区間の距離をもとに基準額(営業キロでJR本州3社内の幹線用運賃表)を算出し、②JR四国内区間の距離をもとに加算額(営業キロでJR四国内の加算額表)を算出し、③基準額と加算額を合算します。
本州3社と九州を連続して乗る
徳山-(幹線:営 113.2km)-下関-(幹線:営 114.7km)-久留米
この場合は①全区間の距離をもとに基準額(営業キロでJR本州3社内の幹線用運賃表)を算出し、②境目である下関-久留米間の加算額(営業キロでJR九州内の加算額表)を算出し、③基準額と加算額を合算します。
他に覚えておくこと
営業キロ等の通算と打ち切り
行程によっては「A→B」のように単純なものでなく、「A→B→C→A」や「A→B→C→D→B」といった複雑なものもありますが、原則として「片道連続であれば営業キロ等を通算」します。
営業キロ等の通算の原則
行程が片道で連続している限り、営業キロ等を通算して運賃を算出する
「全部または一部が往復になる」「一周し更に超えて乗車する」といった複雑な行程の場合、区間を分けて運賃を計算しなければなりません。
行程の全部または一部が往復となる場合
折り返しとなる駅で営業キロ等の通算を打ち切り、区間を分けて運賃を計算する
行程の全部が往復となる場合、「往復乗車券」という乗車券が発行されます。
行程が一周し更に超えて乗車する場合
一周となる駅で営業キロ等の通算を打ち切り、区間を分けて運賃を計算する
理解はできますが、なぜ区間を分けなければならないだろうか・・・
通過連絡運輸
JR線の中間でJR以外(私鉄など)の運輸機関に乗る場合、原則では区間に分けて個別に算出しなければなりませんが、「通貨連絡運輸」の取り決めをしていれば一括でJR区間の運賃を算出することができます。
通貨連絡運輸とは
取り決めをすることによって、2社以上の運輸機関を連続して乗車するときに「通しの乗車券」が発売できる
例外的に私鉄の前後のJR区間の距離を通算し、一括でJR区間の運賃を算出したものに私鉄区間の運賃を加えたものが適用運賃です。
通貨連絡運輸の取扱いをする主な運輸機関と区間
名称 | 区間 | JRの特急 |
えちごトキめき鉄道 | 上越妙高-直江津 | 特急しらゆき |
IRいしかわ鉄道 | 金沢-津幡 | 特急能登かがり火、特急サンダーバード |
伊勢鉄道 | 津-河原田 | 特急ワイドビュー南紀 |
京都丹後鉄道 | 福知山―宮津・豊岡 | 特急はしだて |
智頭急行 | 上郡-作用-智頭 | 特急スーパーいなば、特急スーパーはくと |
ぬ!智頭急行!
電車一本乗り過ごして、3時間待ちなので急きょ観光したのは良かったなあ。
確認テストしました!
結果は・・・6問中4問正解!
地方交通線のみの計算だと、北海道・本州3社は「営業キロ」で、四国・九州は「擬制キロ」。割と単純なところで間違ってしまったようだ。
通過連絡運輸について、この場合は私鉄の前後のJR区間を通算して運賃を算出し、私鉄の運賃を加算するのですが、全区間で計算してしまう頓珍漢さ。はずかしい!
まとめ
- 「幹線のみ」「地方交通線のみ」「幹線と地方交通線」のパターンで計算が違う
- 本州3社と3島で連続して乗車する場合、「基準額+加算額」で運賃を計算する
- 通貨連絡運輸では私鉄の前後JR区間を通算し、私鉄の運賃と合算
実際に計算してみて少しずつ理解ができてきました。
今までは「乗換案内アプリ」でパパっと検索していたものを自分で算出してみて、世の中の便利さを改めて感じます。
一方で考える力なり何なりが、どんどん衰えていくのだと焦るのです。
今回の旅先「鹿児島県 屋久島」
宮崎県を後にして鹿児島へ向かい、フェリーに乗ってたどり着いたぜ屋久島!
ただ島が好きという理由から、日本にいるなら屋久島も行っとかないと位のノリできてしまったのに、控えめに言って・・・来て良かった!!!
まず自然レベルの高さ。2日目の朝から屋久島を登る予定だったので、1日目は島の周りをぐるりと一周。
遠い水平線の彼方に見える島も良かったし、何にもない景色の中にある森や川がとても綺麗でした。
そして何といっても、縄文杉までの道のりにある雄大な自然。大きな岩が何個も何個もあって、朽ち果てた木々に時の流れを感じました。
本当に幸せな時間だったなあ・・・また行きたいなあ・・・
最終日にふらりと立ち寄った神社で、神主さんがいった言葉をがいつまでも心の中に残りました。