旅行業務取扱管理者

【独学者向け】旅行業務取扱管理者 試験|旅行業法「禁止行為・業務改善命令・罰則など」

仕組みを作ったとしても、適切に運用されなければ意味がありません。

どのような制度であっても、適切な運用のために関係者の行動を制限する「禁止事項」や「罰則」が設けられていますよね。

 

「禁止行為・業務改善命令・罰則」学習項目

  • 禁止行為:旅行業者等、サービス手配業者、名義利用等の禁止
  • 業務改善命令:旅行業者等、サービス手配業者
  • 法律違反行為・罰則:法律違反行為者の氏名等の公表、罰則の内容

 

ということで、きたー!禁止行為・業務改善命令・罰則!!!
個人的には勉強範囲の中で注目度の高い項目であります。

 

なぜなら運営は制限の中でどう創意工夫するかであり、まず制限を知らなければ考えようがないと思っているからです。

 

とはいえ合格しても旅行業務取扱管理者として仕事をしていくか曖昧なところで、何を言っているんだとという話なんですけどね。まあ思うだけなら自由!

 

禁止行為

「取引の公正の維持」「旅行の安全の確保」「旅行者の利便の増進」を目的とする旅行業法では、旅行業者等・サービス手配業者がしてはならないこととして「禁止行為」を定めています。

 

もし禁止行為に該当した場合、法律違反とされ氏名等の公表および罰則が課せられるのです。

 

旅行業者等の禁止行為

旅行業者等の禁止行為は以下のとおりです。

 

旅行業者等の禁止行為

  1. 提示した旅行業務の取扱いの料金を越えて料金を収受する行為
  2. 取引相手に取引に関する重要な事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為
  3. 取引相手に対し取引によって生じた債務の履行を不当に遅延する行為
  4. 旅行者に旅行地で施行されている法令に違反する行為をあっせんするか、便宜を供与する行為
  5. 旅行者に旅行地で施行されている法令に違反するサービスの提供を受けることをあっせんするか、便宜を供与する行為
  6. ④と⑤のあっせんまたは便宜の供与を行う旨の広告、または類する広告をする行為
  7. 旅行者の保護に欠け、または旅行業の信用を失墜させるものとして国土交通省令で定める行為⇒運送サービスの提供者に対して輸送の安全の確保を不当に阻害する行為、旅行者に対して旅行地で特定のサービスを受けるまたは特定の物品の購入を強要する行為、宿泊のサービス提供者との取引で住宅宿泊事業者であるかどうかの確認を怠る行為

 

なお③は「正当な理由があっての債務履行の遅延」は該当しません。
禁止行為の内容をみると当たり前のことといえばそう・・・判例がみてみたいですね。

 

旅行サービス手配業者の禁止行為

旅行サービス手配業者の禁止行為は以下のとおりです。

 

旅行サービス手配業者の禁止行為

  1. 取引相手に取引に関する重要な事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為
  2. 取引相手に対し取引によって生じた債務の履行を不当に遅延する行為
  3. 旅行サービス手配業の信用を失墜させるものとして国土交通省令で定める行為⇒取引相手に対し法令に違反する行為をあっせんまたは便宜を供与する行為、取引相手に対し旅行者が特定のサービスを受けるまたは特定の物品の購入を強要する行為

 

ほとんどが旅行業者等の禁止行為と趣旨は同じです。
サービス手配業者は日本国内のサービスしか取り扱えないので、海外を想定した禁止行為は含められていないと理解しました。

 

旅行業者等の禁止行為④~⑦と旅行サービス手配業の禁止行為③は、これらの事業者だけでなく、代理人や使用人その他の従業者(従業員や派遣された添乗員・ガイドなど)といった一個人でも禁止されています。

 

名義利用等の禁止

旅行業法では旅行業者等・旅行サービス手配業者の名義を他人に利用させる行為は禁止されています

 

なぜなら登録制度で一定の要件を設けて営業を認めているにも関わらず、認可されていない事業者も営業できるとなると意味がないからです。

 

名義利用等の禁止

  • 旅行業者等が名義を他人に旅行業または旅行業者代理業のため利用させること(サービス手配業も同様)
  • 営業の貸渡しなどのいかなる方法に問わず、旅行業または旅行業者代理業、旅行サービス手配業を他人にその名において経営をさせること

 

営業の貸渡しをした場合、登録情報はそのままで現場とお金の流れが変わってくるということなのだろうか。
とすると禁止行為を発見するために訪問と決算書の確認をしているの・・・?

 

まあ定期的に行政監査があるとしたら、営業の貸渡しとか難しいでしょうね。

 

業務改善命令

登録行政庁は旅行業者等・旅行サービス手配業者の業務の運営について、「取引の公正」「旅行の安全」「旅行者の利便」を害する事実があると認めるときは、業務改善命令をだすことができます。

 

旅行業者等

旅行業者等に対する業務改善命令は以下のとおりです。

 

旅行業者等に対する業務改善命令

  1. 旅行業務取扱管理者の解任
  2. 旅行業務の取扱い料金または企画旅行で旅行者から収受する対価の変更
  3. 旅行業約款の変更
  4. 旅程管理の確実な実施
  5. 旅行者に生じた損害賠償に必要な金額を担保できる保険契約の締結
  6. ①~⑤のほか、業務の運営改善に必要な措置

 

旅行サービス手配業者

旅行サービス手配業者に対する業務改善命令は以下のとおりです。

 

旅行サービス手配業の業務改善命令

  1. 旅行サービス手配業務取扱管理者の解任
  2. ①のほか、業務の運営改善に必要な措置

 

法律違反行為・罰則

旅行業法または旅行業法に基づく命令違反(=法律違反行為)をした場合、罰則のほかに観光庁長官が必要かつ適正であると認めたときは、行為者の氏名・名称などの必要な事項は一般に公表されます。

 

ただ一般に公表しようとするのであれば、あらかじめ観光庁長官は法律違反行為をした者の意見を聴く機会を設けなければならないので、いきなり公表されるということはありません。

 

どちらにせよ一般に公表されるということは、世間からの信用が落ちるということですので、重く受け止めるものなのですね。

 

また法律違反行為の内容によって罰則が定められて、懲役・罰金・過料があります。

 

旅行業者等・旅行サービス手配業に対する罰則の例は以下のとおりです。

 

1年以下の懲役か100万円以下の罰金

  • 登録を受けずに旅行業等・旅行サービス手配業を営んだ者
  • 変更登録を受けずに登録業務の範囲について変更した者 など

 

6ヶ月以下の懲役か50万円以下の罰金

  • 業務停止の命令に違反した者

 

100万円以下の罰金

  • 営業保証金の届出をせずに事業を開始した者

 

50万円以下の罰金

  • 旅行サービス手配業務を旅行サービス手配業者(または旅行業者)以外の者に委託した者

 

30万円以下の罰金

  • 登録事項の変更の届け出をせず、または虚偽の届出をした者
  • 営業保証金の供託に関する取引額の報告をせず、または虚偽の報告をした者
  • 旅行業務取扱管理者または旅行サービス手配業務取扱管理者を選任しなかった者 など

 

もちろん罰金は経営上の損失になりますけど、それ以上に登録行政庁や旅行者からの信用が落ちてしまうのが怖いですね・・・

 

確認テストしました!

結果は・・・9問中8問正解!よしきた!

 

間違った箇所は禁止行為における「運送サービスの提供者に対し、輸送の安全確保を不当に阻害する行為をしてはならない」で、「もっぱら企画旅行の実施のために提供されるものに限る」を覚えていませんでした。これは旅程管理の責任があるからか?

 

正解したけど曖昧だと思ったのは、「禁止行為に出てくる表現」や「罰則の行為と懲役・罰金の内容」です。
ぼやっと理解はできているものの、一言一句覚えるのは難しいですね。暗記問題で必ず正解しないといけないんですけど苦手で・・・

 

禁止行為や罰則は覚えることが多いですけれど、反復していくしかないということか!

 

まとめ

禁止行為・業務改善命令・罰則など
  • 旅行業者等と旅行サービス手配業者の禁止行為には共通している部分も多く、表現に気を付けながら覚えていく
  • 旅行業者等・旅行サービス手配業は、いかなる場合でも名義とその名を他人に貸すことはできない
  • 登録行政庁からの業務改善命令により、旅行業務取扱管理者の解任や料金・旅行業約款の変更などの適切な措置を命じられる

 

「旅行者の保護」という観点から発生した禁止行為・罰則であれば、ルールを守ることで業界全体の発展へとつながります。

登録をしたということは業界ルールを守りますと宣言しているものですもんね。

 

もし「今の時代に合わない」「これでは経営が成り立たない」となったとしても、そもそもルールを知らなければ声を上げることすらできないので勉強は大切だなあ。

 

今回の旅先 「栃木県 宇都宮市大谷町」

おわら祀りを誘ってくれた友人が、またしても良いところを教えてくれました。それが「栃木県 宇都宮市大谷町」です。
宇都宮市を知っている人、行ったことがある人は多いかもしれませんが、案外「大谷町」に足を運んだことがある人は少ないのではないでしょうか。

なぜ大谷町を訪れたかというと、お目当てはこの町の特産品である「大谷石」です。
かの有名な旧帝国ホテルにも使用され、設計者であるフランク・ロイド・ライト氏が、加工のしやすさ・耐火性に目を付けて使われることになりました。

見てください、タイトルの写真や記事に挿入される写真にある大谷石の美しさを。実物はもっとすごいんですよ。

今回の写真のテーマは「町を歩いたときに見かけた素敵な風景」でしたが、大谷資料館や松が峰教会も最高なので次の機会に紹介します。おすすめです。